「冬のステップアップ移籍を狙ってる?」気になる問いにNEC小川航基が即答! 日本代表の新エース候補に躍り出た男が大胆に目ざす“前半戦11ゴール”【現地発】
11月の代表戦で存在感。「一番のストロングポイントとしてやれている」
11月の日本代表シリーズに関し、小川は「行く前から『本当に大きな遠征になる。自分にとってひとつの分岐点にもなりえる』と思ってました。大満足かというとそうでもないところもありますが、少なくとも得点という結果を残すことができました。ただ代表は代表、クラブはクラブ。一喜一憂せず、しっかりクラブで結果を出さないと、次の3月の代表に呼ばれないと思う」と語った。 キャップ数9で9ゴール。44分に1ゴールというハイペースでゴールを決めている。 「代表戦では4-0、5-0とかになったりすることもあり、そのなかで相手も諦めムードになってスペースができる――というのも正直言ってある。でも、そのなかでもゴールを決めて結果を出すことが大事なので、前向きな数字だと思います。『俺が点を取る』というイメージを監督、チームスタッフの皆さんにも持ってもらえれば『アイツを使えば点を取るんじゃないか』と思ってもらえる。そこで、自分の一番のストロングポイント(=ゴールをねじ込む)としてやれている」 だが、点差の離れた試合で途中からピッチに入ると、すでに「このまま試合をコントロールして終わらせようぜ」というムードがあったりするはず。そのなかでゴールを挙げるのは意外と大変なのでは? 「そうですね。暑さもあったりしますしね。前の選手たちには『点を取りに行きたい』という思いがあるけれど、後ろの選手たちは『4-0で勝ってるし、ちょっと落ち着きたい』という気持ちがあることも分かる。そこのバランスは難しいけれど、僕自身、空気を読めるタイプじゃないのでね(笑)。得点を取りに行った結果、こういう数字につながっていると思います」 まだ小川が「代表キャップ1」の選手に留まっていた昨季前半戦、「僕を代表に呼んでもらえればゴールを取る自信はある」と思いの丈を口にしていた。今年3月、北朝鮮戦でたった9分だけ出場したのが小川の2回目のキャップ。小川にとって6年ぶりの代表ゴールは6月の対ミャンマー戦。そこから半年弱の間で6ゴールを固め取りし、新エース候補に名乗り出た。これほどの有言実行はない。 「フォワードは点を取るか、取れないか、(で評価されるので)分かりやすい。『点を取ればいいでしょう』というところに醍醐味のあるポジションなんで、これからも点を取っていきます!」 かつてのビッグタレントは、遅咲きの苦労人として花開きつつある。27歳のストライカーは、これからキャリアの旬を迎える。 取材・文●中田 徹
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