<私の恩人>奇才・マキタスポーツを開花させた「浅草キッド」
恩返しですか。本当に単純に言うと「浅草キッド」より売れることだと思います。昔から博士がすごく言ってくれるんです。「お前は小さいところで、サブカルとか、そういうところにいちゃだめだ。お前はオレなんかと違って、歌もあるし、踊れるし、演技もできるし、文章だって書ける。芸能界のど真ん中を目指さなきゃいけない」と。以前は照れもあって「いやぁ…」なんて言ってましたけど、今思うのは「『浅草キッド』以外の道で『浅草キッド』以上に売れる」。これが唯一の返答になるのかなと。 こんなこと、堂々としゃべって文章にしてもらってますけど、正直、キッドさんがこの記事を目にしたら、ものすごく気恥ずかしいですよ(笑)。ただ、恥ずかしいということは、やっぱり身内なんだなと。改まって、お父さん、お母さんに「ありがとう」を言うのは照れくさいですもんね。 (取材・文/中西正男) ■マキタスポーツ 1970年1月25日生まれ。山梨県出身。本名は槙田雄司(まきた・ゆうじ)。国士舘大学卒業後、サラリーマンを経て28歳から芸人として本格的に始動する。オフィス北野所属。芸人、俳優、アーティスト、小説家、映画監督と多方面で活動。映画「苦役列車」ではブルーリボン賞新人賞、東京スポーツ映画大賞新人賞を受賞した。今月23、24日には20周年記念イベント「マキタスポーツPresents オトネタ¥7,500」(東京・コットンクラブ)を開催する。23日にはゲストとして「浅草キッド」が登場する。 ■中西正男(なかにし・まさお) 1974年大阪府枚方市生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツ社に入社。大阪報道部で芸能担当記者となり、演芸、宝塚歌劇団などを取材。2012年9月に同社を退社後、株式会社KOZOクリエイターズに所属し、芸能ジャーナリストに転身。ABCテレビ「おはよう朝日です」、フジテレビ「バイキング」などに出演中。