【ビルボード 2024年 年間Streaming Songs】当年の最多週間再生数&連覇数を記録、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」ダントツで“1番上”に
2024年の年間Billboard JAPAN総合ストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”で、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が1位に輝いた。 TVアニメ『マッシュル-MASHLE-』第2期「神覚者候補選抜試験編」オープニング・テーマである同曲は、アニメ初回放送終了後と同時の1月7日に配信がスタート。集計最終日となる日曜リリースであったこともあり、集計初週となった1月10日公開チャートでは圏外だったものの、その翌週1月17日公開チャート以降は30位→4位→1位とめきめき上昇。1月31日公開チャートから6月19日公開チャートまで、じつに21週にわたって当チャート首位をキープし続けた。この記録は2024年年間チャートでは最長となる連覇記録であり、歴代でも史上4位の長さになる。 「Bling-Bang-Bang-Born」のチャートアクションで特筆すべきなのは、その“独走っぷり”だ。同曲が3月20日公開チャートで達成した週間再生数24,945,758回は、2024年度中で最多の週間再生回数に。また、2024年度チャートにあたる計52週分、各週ごとで集計圏内となった楽曲の再生回数を抽出して多い順に並べ替えてみると、トップ17までがすべて「Bling-Bang-Bang-Born」になる。同様の作業を2023年のデータでおこなうと、昨年当チャート首位を長らく独占していたYOASOBI「アイドル」はトップ13までの独占となる(これは、同曲リリース前に当チャート首位を守っていたOfficial髭男dism「Subtitle」の成績が非常に好調であった影響もある)ため、「Bling-Bang-Bang-Born」が、特に当年度のストリーミング市場において、リリース後から長期間にわたり独走状態を続けていたことがわかる。 2位はtuki.「晩餐歌」に。同曲は、当チャート首位を獲得したのは1度のみ(2024年1月24日公開チャート)であるが、当年度のうち計49週でトップ20入り、そのうち計36週がトップ10圏内と安定して上位を記録し続けていたことで、年間でも上半期と同じ順位をキープした。続いて、Omoinotake「幾億光年」が登場。同曲も「Bling-Bang-Bang-Born」と同じく今年1月にデジタル・リリースされた楽曲で、主題歌に起用されていたドラマ『Eye Love You』の、特に中盤以降からの盛り上がりと同時にチャートを駆け上がっていった。こちらは当チャートでは首位未達であるものの、計25回にわたるトップ3入りを達成。上半期チャートでの7位から、年間では3位へ浮上している。この2曲は、「Bling-Bang-Bang-Born」とはある意味対照的に“安定した成績を長期にわたって保った”というパターンであるが、上位に大きな変動が起こりにくく、「急上昇曲によって順位が入れ替わったあと、そのまま全体の再生数が減少していく」という流れが起きやすい当チャートでは、この“安定した成績”という部分が大きなアドバンテージになるのだ。 そして4位に「ライラック」を送り込んだMrs. GREEN APPLEも、今年のストリーミング・ソング・チャートを象徴するアーティストの一組だ。昨年2023年は活動再開後初のオリジナル・アルバム『ANTENNA』をリリース、同アルバム収録の「Soranji」「ケセラセラ」を含む計10曲を年間トップ100へ送り込み、トップ100圏内で最も多くチャートインしたアーティストであったミセス。今年はフィジカル作品のリリースこそなかったものの、1月の「ナハトムジーク」を皮切りに、4月からは「ライラック」「Dear」「コロンブス」「アポロドロス」「familie」の5か月連続リリースをおこなうなど、デジタル・シングルを多数リリースした一年(加えて年内、2024年年間チャートの集計期間後には新曲「ビターバカンス」もデジタル・リリースした)となっていた。当年は、「トップ100圏内で最も多くチャートインしたアーティスト」という肩書きは同じくであるが、2024年リリースの新曲ほとんどと、「青と夏」「ダンスホール」などの代表曲をあわせ、計17曲と前年より多くの楽曲を上位に送りこむ結果に。彼らは今年度中、のちに映画化もされたコンセプチュアルなFCツアー【Mrs. GREEN APPLE 2023-2024 FC TOUR "The White Lounge"】や神奈川・Kアリーナ横浜での計10日間にわたる定期公演【Mrs. GREEN APPLE on “Harmony”】などライブも精力的におこなっており、ここで披露された旧譜楽曲が度々当チャートで盛り上がりをみせたことも、この結果に影響を与えていると考えられる。 当年の総合ソング・チャート“JAPAN Hot 100”の指標別ポイントシェアをみると、現在と同じ6指標(CDセールス、ダウンロード、ストリーミング、ラジオ、動画再生、カラオケ)での集計となった昨年2023年度と比較して、ストリーミング指標で稼いだポイントが全体の70%以上を超える楽曲は79曲→84曲と増加、80%以上に絞ると35曲→45曲とさらに増えており、音楽市場におけるストリーミングの存在感がいっそう増していることがわかる。当年は、世界規模でストリーミング指標をトリガーにチャートを駆けのぼった「Bling-Bang-Bang-Born」(他にはKing Gnu「SPECIALZ」、ILLIT「Magnetic」など)、そして新曲やライブをトリガーに、旧譜も芋づる式に盛り上がりをみせたMrs. GREEN APPLE(他にはback numberなど)と、ストリーミングの持つ“自由さ”――国やリリースタイミングにとらわれない盛り上がりが際立ったチャート結果になったと感じる。より「世界展開」を目標に掲げるアーティストが増えてきた今、ストリーミングの重要度はこれからもますます上がっていくに違いない。昨年と大きく様相が変化した当チャートを、来年度はだれのどんな楽曲がかき回していくのか、今から楽しみだ。 Text by Maiko Murata 【Billboard JAPAN Streaming Songs of the Year 2024】トップ20 1位「Bling-Bang-Bang-Born」Creepy Nuts(547,310,791回再生) 2位「晩餐歌」tuki.(358,274,285回再生) 3位「幾億光年」Omoinotake(342,832,469回再生) 4位「ライラック」Mrs. GREEN APPLE(328,841,382回再生) 5位「アイドル」YOASOBI(326,085,794回再生) 6位「ケセラセラ」Mrs. GREEN APPLE(320,482,742回再生) 7位「唱」Ado(293,538,991回再生) 8位「怪獣の花唄」Vaundy(289,758,760回再生) 9位「青と夏」Mrs. GREEN APPLE(234,089,154回再生) 10位「Soranji」Mrs. GREEN APPLE(231,488,024回再生) 11位「ダンスホール」Mrs. GREEN APPLE(230,669,877回再生) 12位「SPECIALZ」King Gnu(224,349,869回再生) 13位「タイムパラドックス」Vaundy(221,789,687回再生) 14位「Magnetic」ILLIT(207,901,437回再生) 15位「Magic」Mrs. GREEN APPLE(203,277,528回再生) 16位「勇者」YOASOBI(192,786,674回再生) 17位「Subtitle」Official髭男dism(192,534,325回再生) 18位「点描の唄 feat.井上苑子」Mrs. GREEN APPLE(186,335,197回再生) 19位「I'm a mess」MY FIRST STORY(175,366,805回再生) 20位「花になって」緑黄色社会(167,689,488回再生) 集計期間:2023年11月27日(月)~2024年11月24日(日) ※()内はストリーミング再生回数。 ※総合ソング・チャート“Hot 100”のストリーミング指標と動画再生指標およびストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”では、一部サービスにおけるデータを無料ストリーミングと有料ストリーミングで分けて集計し、それぞれ異なる係数を乗じているため、再生回数の合算によるランキングとは異なる場合があります。
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