ペットが熱中症に? IoT時代のセキュリティの落とし穴とは?
イタズラの域を超える、“乗っ取り”による様々な被害
では、このようなセキュリティ対策がされていないネットワーク機器にはどのようなリスクがあるのでしょうか。佐藤さんは、ハッキング(機器の乗っ取り)による物理的な被害に注意が必要だと語ります。 例えばテレビが乗っ取られた場合、チャンネルが勝手に切り替えられるくらいならばイタズラで済みますが、ブラウザ機能があるテレビの場合にはそこで入力したプライバシー情報が盗みられる危険性があります。ネットに繋がったエアコンの場合、暖房を勝手に操作されて部屋の温度が急上昇し、部屋にいるペットが熱中症になったり、冷蔵庫の場合には保存していた食品が全てダメになってしまったりなど具体的な損害も考えられるでしょう。また最近は防犯やペットの見守りの目的でネットに繋がるライブカメラを部屋の中に設置している場合がありますが、それが乗っ取られたら部屋の中のプライバシーが丸ごと外部に流出する危険性もあるのです。 加えて、家庭内のネット接続を可能にするルーターも、セキュリティ対策が手薄になる傾向にあるといいます。もしもルーターがハッキングの被害に遭うと、そこから家庭のネットワークに侵入されて大切な情報が盗み取られてしまったり、ネットにアクセスするためのパスワードなどが勝手に書き換えられてネットへのアクセスそのものが不可能になったりするリスクがあるのだそうです。「ルーターのパスワードが初期設定のままだったり、解読しやすい文字列だったりする場合には特に注意が必要。自分が契約したネット回線が他人に勝手に使われてしまいます」(佐藤さん)。
では、このようにセキュリティ対策が難しい機器が増えている中で、どのような対策をするのが有効なのでしょうか。佐藤さんは、「自宅の無線LANに何が繋がっているかも把握が難しいという状況で、家庭内の様々な機器を同じレベルで守ることが難しくなってきている」と対応の難しさを指摘します。 佐藤さんによると、「常時安全セキュリティ24プラス」はこうしたIoT時代のセキュリティリスクから家庭のネット環境を守る対策のひとつとして誕生したとのこと。家庭内の全てのネット通信にニフティが運営する「@niftyセキュリティセンター」を介在させることで、ウイルス対策や不正アクセスのブロックといったセキュリティ対策をこの@niftyセキュリティセンターが一元的に行い、セキュリティソフトが導入できない機器も含む家庭内でネットに繋がる全ての機器を保護することができるのだそうです。ネット接続の大元であるルーターの更に根本でセキュリティ対策が行われるため、ネット上の脅威がユーザーに近づくリスクを軽減できるのです。「ネットに繋がる機器が増えると、全てのセキュリティ対策を管理していくことは難しくなっていくし、お金も掛かります。他の対策との併用は必要ですが、ゆくゆくは“この傘の下にいれば安全”と言われるサービスを目指したいですね」(佐藤さん)。