阪神ソラーテ問題の本当の責任はどこにあるのか?
評論家の里崎智也氏は、「外国人選手は日本の野球にどう適応するかが重要。そのためには、数字やグラウンド上のプレーを見るだけでなく、練習態度や、周囲の評判なども調べて、その性格もしっかりと調査しておく必要がある」と語っていたが、わずか50日で帰国する事態となった遠因には、阪神の外国人獲得システムそのものに問題があった可能性も否定できない。 ここ数年、外国人投手については、大成功を続けているが、野手に至っては、当時の年間最多安打記録を更新するほどの活躍したマット・マートン以降、成功したのは、1年目に26本、109打点をマークして打点王を獲得したゴメスだけ。ゴメスは3年間在籍したが、コンラッド、ヘイグ、キャンベル、ロサリオは、1年で阪神を去った。ナバーロは、その取り組みを矢野監督が評価して、2年目となる今季も残留したが戦力になっていない。 確かに新外国人の野手については阪神だけでなく他球団でも失敗例が目立つ。阪神と獲得を争った巨人のビヤヌエバにしても、ここまで打率.223、8本、24打点では失敗例だ。ソフトバンクのようにキューバとの太いルートを開拓したチームもあるが、どの球団も成功マニュアルは作れていない。しかし、ソラーテの失敗を「職場放棄」という本人の問題だけに置き換えて、幕引きしては、同じ失敗を繰り返す危険性がある。 ソラーテ問題の検証、総括を行い、外国人野手についての獲得システム、ルートを見直す、いい機会だと考えることが必要だろう。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)