阪神ソラーテ問題の本当の責任はどこにあるのか?
ヤクルトのバレンティンにしても巨人のゲレーロにしてもお世辞にも守りは合格とは言えない。彼らのように守備に目をつぶれるほど打てばいいだけの話だが、スイッチヒッターで、逃げるボールに対応できるが、緩急に弱いという弱点を研究され、8月6日のヤクルト戦での4号を最後に一発がなくなり打率も.188に急降下。外国人枠の問題もあり、ついに8月19日に2軍落ちとなった。 ソラーテはメジャーでの守備機会は三塁が最も多く3000イニングを超えていたが、二塁は、その半分以下、遊撃、レフトに至っては、280イニング強しか守っていない。試合数にすれば31試合程度だ。 今回の再昇格の際に、矢野監督は、三塁で起用する方針でいたそうだが、不慣れなポジションをたらい回しにされ、打順もコロコロと変わり実力を発揮する環境が整わなかったのは同情すべきだろう。 そしてソラーテの悲劇を生んだ最大の問題点は開幕から4番に据え、どれだけ不振でも育成を優先させて“不動”としていた大山がいる三塁を本職にする新外国人をなぜ獲得したのか、という点にある。 マルテに加えて新外国人を2枚ラインナップに揃えて打線を強化したかったのであれば、ターゲットは三塁手ではなく外野手だっただろう。 確かにソラーテにレフトの経験はあったが「できるだろう」の“見込み獲得”であったのなら、あまりに調査不足。マルテの代役獲得のつもりが、マルテの調子が上がってきたため、方針転換となったのであれば、それも、大きなお金を使う買い物であることを考えれば、お粗末。 また結果的に大山を三塁のスタメンから外すのであれば最初からソラーテを慣れた三塁で使うべきだったのだ。そもそもチーム需要に合致していない選手を獲得した時点で、このようなハレーションが起きる懸念はあったのである。 また「チーム内競争」は勝利の鉄則だが、異文化から来ている外国人選手に対しては、特別扱いとまで言わないが、もう少し丁寧な配慮があって良かった。それを新人の木浪らと同列で競争させ、フォローもなく、2軍落ちとなり、また再昇格時に納得のいかない起用法を提示されれば、メジャーリーガーのプライドが傷つくのも無理はない。 コミュニケーション不足と共にチームの外国人管理の“トリセツ”に問題がある。 職場放棄するほどの事態に発展した裏には、ソラーテの性格も影響したのかもしれない。だが、それならば、そこも調査不足だ。