【大分】三郎丸橋の復旧 時間がかかるワケは?
大分朝日放送
7月の大雨で橋脚が傾き通行止めが続いている日田市の三郎丸橋の撤去工事が始まりました。 内野アナ 「花月川にかかる三郎丸橋です。4か月がたちようやく撤去が始まりました」 日田市友田の国道386号にかかる三郎丸橋は、7月の大雨で橋脚が傾き、いまも通行止めが続いています。 工事に向けて進められていた市による橋の上下水道管の移設工事が完了したことから、11日、撤去工事が始まり橋げたなどを重機で取り壊していきました。 一方、今後も通行止めが続くことに地域住民は… (住民) 「いま(周辺で)交通渋滞が起きていて時間がかかる。工事が始まるということで感謝しています」 「中心部に行くにも便利が悪い。(復旧は)早いに越したことはない。早急にやってほしい」 (日田土木事務所 橋本朗雄さん) 「皆さまには大変なご迷惑をおかけしている。工事の安全を確保しながら一日も早い復旧を目指して頑張りたい」 日田市と福岡県を結ぶ国道386号、大分県は工事の完了までにはあと数年かかる見通しだとしています。 なぜそんなに時間がかかってしまうのか解説します。 大雨の影響で傾いてしまった三郎丸橋。 ようやく工事が始まりました。 改めて、この三郎丸橋の場所なんですが、日田市街地や日田ICなど中心部からも近い場所です。 交通量の多い国道で川をまたいでいるため、これまで三郎丸橋を使っていた人は、より細い道路や幹線道路を大回りして迂回しなければいけない状況が続いています。 このように、日田と福岡県の久留米市を結ぶ大動脈であるのが三郎丸橋がある国道386号です。 付近の交通量は通行止め以前は24時間で1万6千台以上ですので、大きな影響があります。 こちらの地図をご覧ください。 国道386号・三郎丸橋周辺の緑のエリアには、飲食店や衣料品店、カラオケなど多数の店舗があります。 しかし通行止めで迂回路を通らなければならなくなりました。 このエリアで営業する店の人に話を聞くと、「車で通りかかった時にお店に入ってくる客が減った」と話します。 また、VTRでも紹介しましたが、住民からも「橋の向こうの店に行くのにこれまでは数分だったのが今は10分かかる」と、やはり生活へ影響が出ていました。 工事は11日から始まりましたが、すぐには終わりません。 日田土木事務所は、「復旧までには2~3年くらいかかる」といいます。 理由の一つは「復旧方法」です。 11日から撤去作業が始まりましたが、川の中にある土台部分まで全てを撤去しイチから橋を作り直すんです。 現在の橋は長さ約70m、幅12mと決して小さい橋ではありませんから、設計などにも時間がかかります。 そしてもう一つの原因が、「花月川の水量」です。 梅雨や台風などが襲う出水期は、橋の下を流れる花月川は非常に水位が上がります。 水の勢いが強くなると当然工事が進みませんので、なかなか先が見通せないということなんです。 そこで大分県は仮設の歩道橋を設置する予定にしています。 橋から100mの上流に歩行者と自転車が通れる橋が、2025年2月ごろまでに完成予定です。 ただ、完全復旧にはまだまだ時間がかかります。周辺への影響は続きそうです。