中尾明慶、自分の信念を貫き通す「島耕作」実写ドラマを演じての思い
現在、YouTubeなどで配信中のスマホ特化型ショートドラマ「課長 島耕作のつぶやき」。弘兼憲史氏による人気漫画「課長 島耕作」から始まり、現在も「社外取締役 島耕作」として連載中の同シリーズを原作に、主演・中尾明慶で実写化。高度経済成長期の激動の時代を誰にも流されず、自分の信念を貫き通す島の姿を描いた作品です。 SNSでも話題の本作で、主人公・島役を演じる中尾さんに出演の感想や撮影の裏話などをお聞きしました。
――出演が決まった時の感想を教えてください。 「皆さんがよく知っている作品なので、主演をやらせていただくことに対して多少プレッシャーみたいなものは感じていましたが、縦型のショートドラマのお仕事をしたことがなく、未知の世界だったのでそこはどんな感じで撮るのだろうとすごく興味がありました」 ――縦型の撮影で大変だったことはありますか? 「映画やテレビドラマと違って、引きで撮る映像がほぼないので、1対1で会話をするシーンでも、映画ではじんわりと見せることができますが、縦型ではそうはいかずパッパと切り替わっていくんです。そういう縦型のショートドラマならではの撮影方法は、初めは戸惑ったかもしれません」 ――逆に感心したことはありましたか。 「撮影スタッフの技術さんたちは、見ていてやはりすごかったですね。カメラマンの方も普段とは違うと思いますし、録音部さんも近くに入れず、なかなか音を録るのを難しそうにしていましたが、いろいろと工夫してくださって。照明の方にも特別な調整をしていただけたので、芝居を最優先に、僕たちはそれだけを考えることができたのはありがたかったです」
――原作を読んだ時の感想を教えてください。 「こんなに攻めた漫画あったんだ、と驚いてマネジャーさんにも思わず言ってしまいました(笑)。でも、読み進めていくと徐々に落ち着いて、人間模様みたいなものも見えてきて、人と人の言葉にできない関係性を描き出すためのシーンという感じで、演じていても面白かったです」 ――島という人物の印象はいかがでしたか? 「僕らもサラリーマンの方々も、どんなに納得がいかないことでも『はい』と言わなければいけない瞬間があると思います。そんな中で、『違うと思います』と言えるカッコ良さと、そんな性格だからこそ遠回りしてしまうもったいなさを感じる、現代にあまりいないタイプの人だと感じました。娘や奥さんとはうまくいかなかったり、完璧ではないからこその人間味があるなと思ったので、そこをうまく見せていきたいです」 ――高度経済成長の時代を描いたドラマですが、ギャップを感じた部分はありましたか? 「原作を読んでいても、今の時代とは全く違い、日本にとても活気があふれる中、将来を夢見て『やってやるぞ』と熱量の高い人たちが多い時代という印象です。今はインターネットなど便利なものが出てきて、夢より先に現実を知ることが増え、夢を見づらくなったのかなという気がしました。そこが現代との一番の違いじゃないですかね」