【未来へつなぐ戦い】「絶対に僕らが強い。このエスポラーダ北海道をF1に残して、恩返しする」守護神・関口優志の覚悟|Fリーグ
「まだまだやれる」という姿を見せられた古巣戦
──リハビリを乗り越え、どのような気持ちで今シーズンを迎えましたか? コンディションも徐々に戻ってきていたし、リーグ戦も最初から試合に出て、いい結果を残せると思っていました。でも、オーシャンカップの2戦目で指の怪我をしてしまい、リーグの開幕戦までに治すことができませんでした。骨が折れたわけではなかったんですがなかなか治らず、まだ違和感が残っています。他のところも、少し痛めただけでも治りが遅くなってきているので、少しおじさんになったかなと……。なので、今はとにかく怪我をしないことを第一に考えて、ケアをより入念に行うようになりました。 ──第2節の名古屋戦は、少し無理をして出場していましたよね。 本来なら出られるコンディションではなかったですね。でも、地元の帯広で開催する、古巣との試合だったので、監督や他の選手には「無理をしてほしくない」と言われましたけど、僕自身が出たいと言って出させてもらいました。 古巣戦は一緒にやっていた選手の特徴を理解しているのでやりやすいところもあれば、同じようにこちらのことも知られているので逆やりづらいところもありますが、名古屋の選手の時も北海道との試合は特別な気持ちでしたし、あの名古屋戦も「絶対に負けたくない」という思いで臨みました。 ──ホームでは残念ながら負けてしまいましたが、アウェイの名古屋戦では、みごとな勝利を飾っていました。 素直にうれしかったですね。なかなか結果が出ないなか、名古屋に勝てましたし、自分としてもいいパフォーマンスを出せました。「優志はまだまだやれる」という姿を名古屋の皆さんにも見せられたかなと思います。
若手とベテランの異なる課題
──チーム全体を振り返ると、開幕戦は大量失点をしてしまい、チームとしても難しいスタートになりました。山下選手に何か伝えたことはありましたか? あの試合もそうですが、今シーズンは正直、GKの責任での失点というよりも組織としての失点が多かった1年でした。湘南戦も彼のミスも多少はありますけど、その前のところが大きな要因なので気にすることはない、と。それよりも失点したあと、チームへの声がけ部分について、アドバイスしました。 ──組織的な失点という部分について、具体的にはどんな課題が? 若い選手とベテラン選手が二分化していて、それぞれに原因があります。まずシンプルに、若手選手のカバーの質やタイミング、経験値が足りなかったというところ。あとはベテラン組の体力がなくなり、後半に走り負けてしまうことも多かったです。結果的に、そこが改善できなかったことが、一番の入替戦まできてしまった要因だと感じています。 拮抗した試合でも、チャンスを決めきれず次のピンチで失点した試合がすごく多かったですよね。そこから「行こうぜ!」となる選手も少ないので、連続失点につながってしまいました。 自分も声を出すことは心がけていましたけど、それ以上に負けが続いてみんな気持ちが沈んでしまっているのをすごく感じていましたね。 ──この7年で“勝者のメンタリティ”を磨いてきた関口選手ですが、どうやってその力を身につけてきたんでしょうか。 僕も名古屋の1年目は、そのメンタルを持っていなかったので、終盤に1-1、1-2の状況だと「やばい」という気持ちが先行してしまっていました。でも経験値を積むと、逆に引き分けでや1点差でパワープレーをされると「こっちが得点するチャンスだな」と思えるようになりました。自信を身につけるには勝つことが手っ取り早いですけど、あとはもう拮抗した試合を経験し続けるしかないかなと思います。 ──最下位が決まってしまった瞬間、どんな思いでしたか? まだまだやれるチームだと思っているからこそ、不甲斐なさ、後悔を強く感じました。名古屋やペスカドーラ町田という上位相手に勝てる力があったのに、と。 ファイナルシーズンの初戦の時点ですでに厳しい状況で、ほぼ他力に追い込まれていたので、自力残留がなくなった時に入替戦に全てを捧げようと、マインドチェンジしました。そこに全てをかけようと。今もそうですけど、試合のイメージを落とさないように意識しながら、「絶対に負けない。このクラブをディビジョン1に必ず残す」という気持ちで取り組んでいます。