和田毅投手引退 同じ島根出身で左腕の元カープ・大野豊さんに聞く 天性のセンス、強いメンタル 「常に意欲的に考える」
元広島カープ投手で野球解説者の大野豊さん(69)に、出雲市出身、サウスポー、20年以上の現役生活-という共通点を持つ和田毅投手が、長きにわたって第一線で活躍できた理由を聞いた。(錦織拓郎) 【写真】ソフトバンク和田毅が引退 あの日、あの場面 浜田高で甲子園8強、早大、プロへ
今季の球筋を見ると、まだまだ現役でいけそうだったが、自分と同じ43歳での引退。寂しく残念だ。 性格は、研究熱心で真面目。41歳で149キロを出して自己最速を更新したのも体の使い方を考え、新しい練習方法を取り入れることに積極的だったからだろう。自分自身の経験を振り返っても「このままで良いのか、さらに新しいことが何かできないのか」と常に意欲的に考えないと、現役生活は長くは続かない。 体形は、よく細身といわれるが、よく走り、下半身はしっかりしている。食生活を含め節制や努力を続けたからだろう。私の開幕投手の最年長記録(42歳7カ月)を「抜いていけよ」と話したこともある。 技術的には「技巧派」ではないと思う。相手の弱点を見抜いて多彩な変化球を操り、攻めの投球で三振も奪える。自分の持ち球の使い方を知っているというか、考えた投球ができていた。頭の良さ、天性のセンスに加えて強いメンタルも併せ持っていた。私は抑えを経験したが、ずっと先発を続けられたのも、こうした面が大きい。
自主トレに多くの若手が参加することからも分かるように、多くの人に慕われていた。社会貢献活動にも熱心な、人間力も非常に優れた選手だった。第二の人生で何をしても成功しそうだ。今後も何らかの形で球界には携わってほしい。(談)