「駅チカ」分譲マンション、広島市に次々 便利さから底堅いニーズ
JR広島駅(広島市南区)や横川駅(西区)周辺などで分譲マンションの建設が相次いでいる。建築費の上昇で中国地方の分譲マンションの着工戸数が落ち込む中でも、「駅チカ」は便利さから底堅いニーズがある。各事業者は、価格を抑えた単身者向けの部屋を設けたり、光熱費の削減をアピールしたりして販売に工夫を凝らす。 【写真】JR横川駅に隣接するザ・ライオンズ横川の完成イメージ JR西日本プロパティーズ中国・九州支社(南区)などは、広島駅の約300メートル北東の東区光町で「ザ・プレイス広島」を建設中。2026年2月の完成を予定し、今月販売を始めた。主に家族向けで14階建て52戸。価格は2LDKが5千万円台など。「資料の請求が多かった。(25年3月の)新しい広島駅ビル開業への期待感は大きい」と受け止める。 その約100メートル北にある旧ホテルチューリッヒ東方2001跡地では、信和不動産(西区)が20階建て86戸のマンションの建設を計画している。27年秋ごろの完成を目指し、現在は旧ホテルの解体が進んでいる。 マンションの一部には、単身者向けに価格を抑えた小さめの部屋も設ける。購買層の多様化にも対応する。和田政春専務は「建築費は5年前より1割上がっているが、駅周辺の需要は底堅い。マンションを買う単身者も増えている」と話す。 オリックスグループの大京(東京)が横川駅前で建設しているのは「ザ・ライオンズ横川」。共働きで世帯年収が多い「パワーカップル」を主なターゲットに据える。 敷地は自動車部品など製造のモルテン(西区)の本社跡地。ザ・ライオンズは高規格なブランドで、中国地方では初めて。完成は26年3月を予定する。19階建て62戸で、エネルギー消費量を基準より2割以上削減する「ZEH―M Oriented」の仕様を満たす物件でもある。 大京は「交通の便が良く、スーパーも近い好立地。新たなブランドを知ってもらうきっかけになれば」としている。
中国新聞社