防犯カメラでは安全にならない?山手線などはすでに100%…実際の効果は? 設置否定派の弁護士「なんとなくのイメージで正当化されていくのはどうなのか」
立正大学の小宮信夫教授の調査によると、電車内防犯カメラの義務化は7割が賛成している。小宮教授は「現代はテクノロジーによる安全快適な生活が当たり前に。犯罪対策でも防犯カメラの利用を当然視しているのでは」と述べている。 一方、武藤氏は「いろいろな鉄道会社でカメラを増やしたので、設置前と設置後でどれだけ犯罪が減ったかという情報をぜひ出して欲しい。単純比較で“これだけ減っている”とわかれば、私たちは効果として理解できる。資料や証拠が出されない中で、なんとなくのイメージで正当化されていくのはどうなのか」と疑問を呈した。
■街中にも防犯カメラ 権力乱用?規制必要?
鉄道だけでなく、街中にも防犯カメラが設置されるようになっている。警視庁は街頭防犯カメラシステムとして、歌舞伎町や渋谷、池袋、上野などに計196台を設置。24時間監視体制で事件・事故等に対応し、2022年は602件のデータを事件解決等に活用した。 武藤氏は、防犯カメラは人権侵害だと訴えている。肖像権(プライバシー)侵害は明白で、「任意」と言いつつ、法的根拠もなく警察の要請に応じるかたちで映像が開示されていると指摘した。 「憲法と刑事訴訟法ができた頃にはなく、その後発達してきたものが写真や動画の撮影、防犯カメラだ。最高裁の判例では、警察が罪のない人の写真を同意なしに撮ることに関しては拒む権利があって然るべきだ、肖像権で保護すべきだと一応言っている。一方で言われたのは、現行犯。速度違反の車を撮るオービスは、常時無差別に録画していたら駄目だが、スピード違反の車両だけを撮っていて、助手席の人も写るが仕方ないと、けっこう厳格な縛りをかけている。民間のコンビニなどの画像や動画を集める時、令状なしになんでも確認できてしまうのは、警察が日本中にカメラを設置していつでも見られるのとほぼ同じだ。それではルールがなさすぎるし、歯止めがきかない」 (『ABEMA Prime』より)