ビール系飲料の道連れ?「チューハイ増税」議論にみる複雑怪奇な酒税の世界
そもそも日本の酒税は高すぎる?
いずれにしても「日本の酒税は高すぎる。すべて減税してほしい」 という点は、すべての団体に共通した意見でした。特に、ビールに掛かる税率は主要諸国と比べても突出して高く、「アメリカの約12倍、フランスの約14倍、ドイツの約20倍」(ビール酒造組合調べ)にもなるのです。 “ビールの巻き添え”といいつつ、最近はビールをライバル視したCMが印象的な缶チューハイも見受けられます。実際、ビール会社のほとんどが缶チューハイも発売しており、「ビールは減税、チューハイは増税」という施策に対して、強固な反対の声は上げにくい事情もあるでしょう。 そもそも、ビールと発泡酒、第3のビールの違いを明確に説明できる一般人はそれほど多くないでしょう。分かりやすく、安価にお酒(暮らし)を楽しめる「仕組み」になってほしいと願います。 果たして、チューハイ増税は本当に決まってしまうのか。また、ビール系酒類の税額が統一されれば、発泡酒や第3のビールは淘汰されてしまう(ビールは少しだけ値下げになるかも知れませんが)可能性があります。とばっちりを受けるのは、節約のために安価な第3のビールや缶チューハイでの晩酌を楽しみにしている庶民です。かくなる上は、税率の安い甲類焼酎を買い、自分でチューハイを作って楽しむしかない、のでしょうか。 (寄本好則/三軒茶屋ファクトリー)