新紙幣が生活に直撃?値上げや会員ポイントが引き継げない店も… 「旧紙幣は使えない」詐欺にも注意
会員カードのポイントが引き継げない
静岡市清水区にある入浴施設「あおい温泉 草薙の湯」では、入浴券やタオルなどを販売するための券売機5台を約20年前に購入した。今の機種はアナログ式だが、全て液晶のタッチパネル式に変更する。 入浴施設では1年ほど前からメーカー側と調整を重ねていて、6月中に電子決済に対応した新しい券売機に交換できるそうだが、新たな課題も見つかった。 これまで入浴や食事の際に貯めていたポイントが新しい券売機に対応した会員カードに引き継げないことがわかったのだ。 このため、施設では6月10日までのポイントの引換を呼びかけていた。 あおい温泉 草薙の湯・木村豊明マネージャーは「とても歯がゆい部分は正直あります。今まで長い間ご愛顧いただきましたので、それが次のサービスに引き継げないとなると、お客様に長い間使っていただいたサービスがなくなってしまうということなので、とても申し訳ない気持ちです」と話す。
費用増加で苦渋の値上げも
券売機を交換するにあたり困惑する声はほかにもある。 大きな炙りチャーシューが乗った「魚介豚骨ラーメン」が一番人気のラーメン店「まるさ商店」。このラーメン店でも券売機は欠かせないが、新しい券売機を購入するのではなく新紙幣に対応したユニットに付け替える予定だという。 今の券売機は60万円ほどで購入した中古品だが、電子マネー対応の新機種に買い替えると200万円以上かかるそうだ。対応ユニットの付け替えでも50万円ほどかかり、「食材や光熱費の高騰と重なり大きな痛手」と嘆く。 まるさ商店・佐藤健二 店長は「(物価高騰に)追い打ちをかけての新札の交換で出費が痛い。それに合わせて値上げを検討していて、お客様には迷惑をおかけすると思いますけど、そういう形で対応していきたい」と苦しい台所事情を打ち明ける。
「旧紙幣は使えない」は詐欺
私たちの生活に大きな影響を及ぼす新紙幣の発行だが、こうしたタイミングに乗じた詐欺被害も心配されている。 静岡県警によると、財務省の職員や銀行員になりすまし「新紙幣導入に伴って古い紙幣が使えなくなるから回収する必要がある」「古いキャッシュカードだと新紙幣に対応できなくなるので、新しいキャッシュカードに変えなければならない」などの手口の詐欺が予想されるという。 静岡県内でこれまでに新紙幣をめぐっての詐欺被害や不審な電話は確認されていないが注意が必要だ。 静岡県警生活安全企画課・増田修 次席: 新紙幣に変更されたからといって古い紙幣が使えなくなることはないので、電話で紙幣やお金といったキーワードが出てきたら、まず詐欺を疑ってほしい 20年ぶりの新紙幣の発行に向けて着々と準備が進められる中、こうした機会を悪用した詐欺の手口にだまされないよう警戒も必要だろう。 (テレビ静岡)
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