長崎県対馬市が旧中学校跡地を国へ売却検討…防衛省側が打診、既存施設活用し陸上自衛隊員の訓練を計画
長崎県対馬市の比田勝尚喜市長は3日、同市美津島町小船越の旧市立浅海中学校跡地について、防衛省側から跡地利用のため購入を打診され、国への売却を前向きに検討していることを明らかにした。同省側は陸上自衛隊員の訓練を実施する計画という。 【写真】国への売却が検討されている旧浅海中学校の跡地
比田勝市長は、同日開会した市議会の定例会で、廃校後に陸自対馬警備隊から当該施設の跡地利用について相談を受けたとし、「災害など有事の際の自衛隊活動拠点にもなり得るものと考えられることから、売却を前向きに検討する旨を先方に伝えている」と説明。そのうえで、「正式に申し出があれば、市としては早い段階で近隣地区の皆様に説明を行い、ご理解を得た上で対応したい」と述べた。
防衛省は読売新聞の取材に対し、旧浅海中の既存施設を活用して陸自隊員の訓練などを実施するため、概算要求に関連予算を計上したことを明らかにした。
市教委によると、旧浅海中は2020年3月、生徒数の減少により廃校になった。敷地面積は約2万平方メートルで、校舎や体育館、教員住宅、グラウンドなどがそのまま残っている。島のほぼ中央部に位置し、近くを国道と市道が通っている。
市議会は同日、市立学校教育施設の条例改正案を可決した。25年度末で豆酘小(児童数5人)と豆酘中(生徒数11人)が閉校になる。いずれも児童、生徒数の減少が理由。26年度から豆酘小は久田小に、豆酘中は久田中に統合される。