グーグル「Pixel 9 Pro XL」カメラレビュー:8 Proからの進化点とAI機能の実力は?
例年よりもやや早く、グーグルの2024年最新スマホシリーズ「Pixel 9シリーズ」が9月にスタートした 【全画像をみる】グーグル「Pixel 9 Pro XL」カメラレビュー:8 Proからの進化点とAI機能の実力は? Pixel本体に関する詳細は既報の通りだが、本稿では同シリーズで最高性能を持つ「Pixel 9 Pro XL」のカメラ性能を重点的にチェックしていく。
作例で見るPixel 9 Pro XLの実力
Pixel 9 ProとPixel 9 Pro XLの主な違いは本体サイズのみで、カメラのスペックは共通している。 Pixel 9は光学5倍ズームを搭載していない点を除けば、広角カメラとウルトラワイドカメラはPixel 9 Proと同等のものが採用されている。 Pixel 9 Pro/Pro XLは「広角」(50MP、画角82°)、「超広角」(48MP、画角123°)、「望遠」(48MP、光学ズーム5倍、画角22°)を備えており、2023年に登場した「Pixel 8 Pro」と大きな違いはない。 9 Pro/Pro XLの変更点は、超広角カメラの画角が広がり、より明るいレンズが採用された点だ。 先に結論からいうと、Pixel 8 ProからPixel 9 Pro/Pro XLに機種変更をする理由はあまりない。 センサー(の一部)の変更、バッテリーライフの改善、超広角カメラの描写性能が向上したなどの改良点はあるが、決定打としては弱い。もちろん「Pixel 7」シリーズ以前からの買い替えならオススメできる。 作例を見ていこう。前述の通り、カメラは3つだがデフォルトでは広角カメラでデジタルズーム2倍が選択肢として表示される。 また、望遠カメラで光学5倍ズームから先はデジタルズームになり、最大30倍まで選べる。 どのカメラを使用した場合でも撮影した直後に「後処理」が行われる。ISP(Image Signal Processor、画像信号用のプロセッサー)の変更についての公式情報はないが、Pixel 8 Proよりも良好な結果になりやすくなっている。 この処理にAIが利用されているのかは不明だが、デジタルズームでは「ズーム画質向上」と似た処理が実行されているようだ。 直線が多い構造体で試してみると、直線が歪む。また、夜景モードでは網など目の細かいものの描写が怪しくなるが、スマホという小さな画面で見る分には気にならない。 撮影機能としては「一緒に写る」「長時間露光」「アクションパン」などがアップデートされている。 「一緒に写る」は手軽な合成機能で、撮影担当を交代して2枚の写真を撮り「撮影者も写った写真を1枚作る」というもの。撮影時はAR的な表示で位置調整ができる。 「長時間露光」は文字通りだが、連続撮影した結果を合成しているため日中でも利用できる。 「アクションパン」も同様に動体を追いかけるように撮影すると、背景が流れるように撮影できるといったもの。 Pixelといえば夜景が強いというイメージがあるが、Pixel9シリーズでもその点は変わりがなく、パノラマでも夜景モードが利用できるようになった。 また、パノラマのやり方が変更され、画面上に表示された「●」を追いかけて撮影を繰り返して撮影する。「●」ごとに撮影するためフレーミング時の上下のブレを気にしなくてもよくなって楽になった。
林佑樹