英語留学、安い・近いだけでないフィリピンの魅力
日本が参入したのはその後だ。日系資本が2010年以降、韓国が建てた学校を買収していった。教育と商業の中心だったセブ州を中心にマニラ首都圏、中部ドゥマゲテなどに展開している。日本の留学事業者ら65団体が加盟する「海外留学協議会」(東京)によると18年のフィリピンへの留学者数は8232人で、米国、オーストラリア、カナダに次ぐ。
東南アジア経済成長 物価上昇の兆し
フィリピンへの留学は、アジア全体に広がりつつある。
QQイングリッシュで学ぶ30歳代のタイ人女性は、果物の輸出業で使う英語力の向上が目標だ。「物価が安く、タイに似ていて暮らしやすい」と話す。同校の日本人受講生は全体の約半分で、残りはモンゴル、台湾、ベトナム、中国などだ。
課題もある。東南アジアの著しい経済成長でフィリピンの物価や平均給与はうなぎ登りだ。低価格をこれからも売りにできるとは限らない。
ネイティブが教える米国や英国、豪州と異なり、フィリピン人の多くにとって英語は第二言語にすぎない。なまりがある人もおり、教員のレベルに差がある。今後は、統一された基準による教員向けの資格の確立が求められそうだ。