腕を使うより下半身を使ったほうがヘッドスピードが上がる理由を解説!【謎キャラコーチ『わきゅう』の気になる話♯81
一昨年の全米女子アマを制し、23年12月のプロテストで合格した馬場咲希プロを、中学1年から指導しているのがプロコーチの坂詰和久(さかづめかずひさ)、通称『わきゅう』だ。坂詰コーチと20年以上の付き合いがあるベテラン編集者Oが、謎キャラコーチの気になる話を聞き出す。今回は「腕を振らずにヘッドスピードを上げる方法」がテーマだ。 世界一、シェフラーのドライバーショット正面連続写真
坂詰 前回は、スウィング中の手の動きはとても小さい、という話をしました。理想的な動きは、手と腕を体の正面に保ったまま、体を回すだけ。手は体を回旋させたぶんしか動かないと考えてほしいんです。 O編 理想ってことは、それより多少手や腕が動いても構わないんだよね? 坂詰 そうですね。実際には、バックスウィングの勢いで手は少し上がるので、手が体の正面からまったく動かないってことはないですね。あと、プロでも腕を振る選手は多いので、多少手を動かしてもいいと思うんです。ただ、あまり手の動きが大きくなると、それだけ正確性が落ちちゃうんですよ。方向性、反復性を高めるためには、なるべく手と腕を体の正面に保つように意識して、手の動きを小さくすることがポイントになるんです。
O編 球が曲がる人や、ナイスショットとミスショットの差が大きい人は、手の動きを小さくしたほうがいいってことだよね。 坂詰 そうですね。まぁ、完全に腕を振らない動きはプロでも難しいので、そういうスウィングに少しでも近づこうとすることが大切なんじゃないでしょうか。 O編 手と腕を体の正面に保ったまま体を回すって説明すると、「それじゃ、スウィングがコンパクトになりすぎる」って言う人が多いと思うんだけど? 坂詰 だから、腕を回旋させる(バックスウィングで言えば、左腕を付け根から右に回旋させる)動きを覚えてほしいんですよ。前回も説明しましたが、腕を回旋させれば、手を動かさなくても、ヘッドは大きく動きます。それができれば、手と腕を体の正面に保っていても、ヘッドは十分トップの位置まで上がるようになるんです。 O編 でも、実際に手と腕を体の正面に保ったままスウィングすると、「こんなに動きが小さくていいの?」って感じちゃうね。 坂詰 それはプロも同じで、「これじゃ、飛距離が落ちちゃうんじゃないですか?」って、ほとんどの選手が言うんです。 O編 腕を振ったほうが、スピードが出そうな気がするもん。