「経口中絶薬」使用の全ての人で重篤な合併症報告なし 国の研究班調査
日テレNEWS NNN
去年4月に承認された「経口中絶薬」を使用した全ての人で重篤な合併症などの報告はなかったことが国の研究班の調査でわかりました。 国内で去年4月に承認、5月から販売が開始された経口中絶薬は、妊娠がわかったあとに妊娠9週目までに服用することで手術をせずに中絶ができます。 しかし、現在使用はベッドなどがある病院、診療所に限られ、また使用後に施設の中で経過をみなければならないなど一定の条件が設けられています。 この中絶薬について日本産婦人科医会の中井章人副会長らによる国の研究班の調査が行われ、回答を得られた全国およそ2100か所の施設での使用状況などが明らかになりました。 その結果、発売から去年10月までの半年間で経口中絶薬を使った人は435人いて、すべてのケースで重篤な合併症などの報告がなかったということです。 中井副会長 「他の手術法と比較すると、極めて安全に服用されてまた管理されていたんだというふうに思います」「今後、人工妊娠中絶をより安全にしていくためには、この薬の普及というのは必須だと思います。現在の(使用する際の)限定が、果たして本当に必要かどうか改めて検討する必要があるのではないか」 中井副会長はこうコメントした上で「中絶を希望する人の選択肢を増やすことが大切だ」としています。 こうしたことを踏まえ、厚生労働省は今後、経口中絶薬の使用の条件を緩和する方針を明らかにしました。 具体的には緊急時に適切な対応がとれればベッドのない医療機関でも使用できるようにし、使用後も経過観察を自宅などで行えるようにする方針だということです。 厚労省は来月にもこうした方針を部会などに諮り議論する予定です。