高校ラグビー 常翔学園NO・8井本章介主将「強い工大を思い出させるゲームをしたい」5日東海大大阪仰星と準決勝
全国高校ラグビー大会は5日、大阪・花園ラグビー場で準決勝2試合が行われる。第2試合で東海大大阪仰星(大阪第2)と対戦する常翔学園(大阪第3)は4日、大阪市旭区の自校グラウンドで体をほぐしたり、攻撃の形の確認など約1時間、軽めに調整。5度目の全国優勝を果たした2012年度以来12大会ぶりの決勝進出へ準備を整えた。 今大会の常翔学園は3回戦の天理(奈良)戦は17-10、準々決勝の大分東明戦は24-19と、いずれも試合終盤、自陣ゴール前での相手の猛攻を粘り強くしのぎ、勝ち上がってきた。準決勝進出は19年度以来5大会ぶりとなる。 NO・8井本章介主将(3年)は「(2試合とも)最後にゴール前で我慢して点を取らせなかったことが自信につながっている。大会前は『行けるのかな』という雰囲気だったが、今は『行けるぞ』となってきている」と強調。今季就任の白木繁之監督も「チームの状態は本当に最高です。良い空気感ができている」と目を細める。 24度目の出場の東海大大阪仰星、42度目の常翔学園は同じ大阪のライバルで、全国優勝はそれぞれ6度と5度と高校ラグビー界をけん引する存在だが、花園での対戦は21年度の準々決勝で東海大大阪仰星が45-7で勝った1度だけ。今季は5月の大阪総体の準決勝で1度だけ対戦し、東海大大阪仰星が22-15で勝っている。 井本主将は東海大大阪仰星について「横に(ボールを)動かし、速いラグビーをしてくる。縦に強く行く、うちとは真逆のチーム。うまさで勝負してくるが、体の当て合いで負けない」と力を込める。 今季は8月の夏合宿前に5日連続で、OBで日本選手権7連覇時代の神戸製鋼でNO・8として活躍した大西一平氏の指導を受けながらコンタクトだけの練習を行い、「体の芯で当たったり、(相手の)ふっ飛ばし方の感覚がわかり、合宿で試したら前に出られるようになった。みんなが好んで体を当てられるようになった」と自信をつけるとともに「常翔学園は縦系で勝負しないといけない」と改めて気づいたという。 大阪工大高を前身とし、08年に現校名になった常翔学園は1937(昭和12)年に創部。 5度の全国優勝のほか準優勝2度、4強13度などの実績があり、NO・8河瀬泰治(現摂南大総監督)、CTB元木由記雄(現京産大GM)ら多くの日本代表を輩出してきた名門中の名門だ。
OBで95年度に全国制覇したときのメンバーの和樹さんを父に持つ井本主将は「すごい歴史と伝統があるチーム。強い常翔学園、強い(大阪)工大を思い出させるゲームをしたい。優勝したい」と闘志を燃やしている。