〝仲間〟悼む強い思い 各地に殉職者や警察犬弔う施設 警視庁150年
37年に死んだ際、心を痛めたのが関さんの弟、政美さん(73)だった。父親に頼み、木製の墓標を立ててもらった。警視総監だった秦野さんがその小さな墓標の存在を知って感動し、正式な碑の建立を決め、43年7月に碑が完成した。
関さんによると、同霊園を運営する父と警察犬訓練所の担当者は、警察犬の埋葬を通じて交友があったといい、「おそらく、訓練所の方から伝わったのでは」と話す。これまでに計286頭が合祀(ごうし)され、慰霊祭には鑑識課長や警備2課長などが参列し、生前の活躍をしのんでいる。
秦野さんは自著『逆境に克つ』の中でこう記している。
「数ある役所の中で警察ほどたくさんの殉職者を出す役所はほかにないだろう。それは警察が生命よりも重い責任を背負っているという事実を、はからずも教えてくれる」