松下洸平「子どもの悩みは大人と同じ」保健室の“学校医”役を通じて感じた、今の子どもたちが抱える悩み
人間関係に悩む子どもが多い気がします
牧野を演じる役作りの一つとして、松下さんは、小学生、あるいはかつて小学生だった子どもを持つ親御さんにお話を聞いたそう。 「実際の声を聞いてみると、保健室にお世話になったというお子さんが多い印象を受けました。ケガや病気だけではなくて、何となく学校が嫌だったり、授業を受ける気持ちになれなかったり……。原作の漫画を読んでも感じたことですが、さまざまな理由で教室に入りづらく、保健室に通うお子さんがたくさんいるんだなと実感しました」 今の子どもたちは、松下さんが小学生だった頃とは違うのでしょうか? 「僕自身の経験と比べるしかないのですが……」と前置きして、松下さんは語ってくださいました。 「僕が子どもの頃は携帯もなかったですし、ゲームもネットワークでつながったがっているわけではありませんでした。今はスマホを持って、SNSをやっている子どもも多いと思います。そう考えると、今の子どもたちは、僕の子どものときと比べて、自分の居場所が学校と家以外のところにたくさんあって、リアルな世界だけでなく、ネットワークの中でも生きているのかもしれないと思います」 でも、だからこそ難しい。 「居場所が多い分、関わる人も増えます。それで、対人関係の悩みを抱えている子がすごく多いのかもしれないと感じます。子どもも大人も、悩んでいることは変わらない気がします」 「大人と同じ悩みを持つ子どもたち」をドラマ『放課後カルテ』では、どう描いているのか。続きはインタビュー後編で! 衣装:加藤美紀 ヘアメイク:増澤拓也(スタジオまむ) 取材・文:松井美緒 写真:安田光優
【Profile】松下洸平
1987年、東京都生まれ。2018年、舞台『母と暮せば』『スリル・ミー』で第73回文化庁芸術祭演劇部門新人賞、第26回読売演劇大賞優秀男優賞・杉村春子賞を受賞。主な出演作は、NHK朝の連続テレビ小説『スカーレット』、ドラマ『いちばんすきな花』『9ボーダー』、大河ドラマ『光る君へ』、映画『アイアムまきもと』『ミステリと言う勿れ』など。24年は映画『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける者』に出演。
with online