『先生を信頼していたのに...』担任から性加害を受けた支援学校の生徒が涙の訴え 「怖かった」「誰も助けてくれなかった」防げなかった学校側にも不信感
そして今年10月、大阪地裁堺支部で開かれた初公判。Aさんに対する不同意わいせつ罪や不同意性交罪に問われた上野被告は起訴内容を認めた上で、犯行に至った理由をこう述べた。 (上野翔太被告)「好意を抱かれているという自覚があった。性交ができる関係だということに舞い上がった」 上野被告は学校でのやり取りやSNSでの会話から、Aさんから「好意」を感じ、その「好意」を性行為ができる関係だと思い込んだと話した。 性被害者の支援を行う「NPO法人しあわせなみだ」の中野宏美理事は、今回の犯行は一般的にも当然許されない上、知能が小学校低学年程度のAさんへの対応は支援学校の教育者としてありえないと非難する。 (NPO法人しあわせなみだ 中野宏美理事)「(Aさんの)知的レベルを考えたときに、小学校低学年ということを考えると、その『好き』というところには、恋愛であったり性的な意図はないということは容易に想像ができるのでは」
「距離が近かったのをほかの先生も知ってるはずなのに…」学校側に不信感
また、裁判では、上野被告が同僚の教員らからAさんとの距離感が近いことについて複数回注意を受けていたことも明らかになった。Aさんは上野被告の犯行を止められなかった学校側にも裏切られたと感じている。 (Aさん)「怖かったし、上野先生と距離が近かったのをほかの先生も知ってるはずなのに、誰も助けてくれなかった」 障がいのある生徒を守るべき担任の犯行について、支援学校はどう考えているのか。校長がMBSの取材に応じた。 (支援学校の校長)「教員としての資質に著しく欠けることですので、断じて許せない、このひとことに尽きます。教員の認識・資質向上につながるような研修を設けてきたいと考えています」 一方で、他の教員らが上野被告とAさんの距離感に懸念を感じながら事件を防げなかったことについては… (支援学校の校長)「(Aさんと上野被告の)距離感についてはやはり課題がありましたので、周りの教員が注意しておったと考えています。学校全体としてなぜ防げなかったのか、そこの重みを受けとめて検証結果を今待っているところです」 専門家も交えて原因の究明と再発防止策の検討を進めるとしている。
「安心できる環境が戻ったら学校に戻りたい」
担任から性被害を受けた高等部3年生のAさん。支援学校やほかの先生も信じられなくなり、卒業が3か月後に迫る今も、登校ができていない。 (Aさん)「安心できる環境が戻ったら学校に戻りたい。友達に会いたい」 生徒を深く傷つけた担任による卑劣な性加害。犯行を防げなかった学校の責任も、また重い。 (2024年12月11日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特命取材班スクープ』より)