多様化する日本でも…FIFAやスター選手をも悩ます、サッカー界の人種差別
オンラインでの差別増加 日本も対応必至か?
サッカー界の差別に挑戦し、ポジティブな変化をもたらそうと設立されたイギリスの団体、キック・イット・アウトは、2022-2023シーズンに、過去最多となる1007件の差別行為の報告を受けたという。特に増加したのはオンライン上の差別行為の報告だった。また、人種差別はプロアマ問わずサッカー界の最もよくある差別で、全報告の半分弱を占めていたということだ。 報告数の増加は差別がサッカー界の深刻な問題であることを浮き彫りにする反面、報告のやり方が認識されてきたこと、ファンが差別的な行為に対し寛容でなくなったことによる結果でもあると、ポジティブに捉えられている。 日本でも、鈴木選手の事件を受けて、差別を批判する声がソーシャルメディアで多く出ていた。その一方で、人種差別にからめられるのを恐れて、純粋にパフォーマンスの批判がしづらくなるという意見も散見された。日本でも外国にルーツを持つ選手が増えるなか、差別への対応はこれまで以上に大きな課題となりそうだ。
文:山川真智子