2028年ロス五輪で120年ぶりの復活「ラクロス」 北米生まれで日本の大学で独自の文化育む “サムライ・ラクロス”を世界にアピールへ
20世紀の初頭、1908年ロンドン五輪から雌伏すること120年。 北米で生まれたフィールド競技・ラクロスがロサンゼルス五輪で復活する。 日本の大学で独自の文化を育んだキャンパス・スポーツでもある。 【画像】2028年ロサンゼルスオリンピックで120年ぶりに復活するラクロス
120年ぶりに五輪にラクロス復活
12月14日、冬の柔らかな日差しを背に、プロテクターをまとった戦士たちが東京・大田区の大井ラクロス場で対峙(たいじ)した。 クラブチーム日本一を決める大会。 選手紹介で名前を呼ばれ、コートへと向かう10人の選手。ゴールを守る「ゴーリー」を含め、プレイヤーは10人。 1クオーター15分を4回、なかなかの長期戦だ。選手交代も、戦況に応じて頻繁に行われる。 それ以外にマネジャー、トレーナー、コーチなど、1チーム最少でも25人ほどの大所帯。 コートの広さはサッカーグランドと同じぐらいだが、ゴールがエンドラインよりも前にある。 ゴール裏から展開する攻撃もラクロス競技の醍醐味(だいごみ)の1つだ。
ラクロスの起源は北米
北米のネイティブアメリカンの遊びが起源のラクロス。 日本の競技人口は、2023年時点で約12,500人。男子約5,600人、女子約6,700人。 世界の競技人口は約60万人といわれる。 ボディーコンタクトが魅力の男子のいでたちは、アメリカンフットボール仕様のヘルメットに加え、ショルダーパットを装着。腕と手も頑丈なグローブ、エルボーパットを着用する。ボールを運ぶ網のついた棒(クロス)で、互いに獲物=ボールを奪い合う。その際、腕は一番の攻撃目標となる。 一方、女子はボディーコンタクトがないため、スコート姿で軽やかにゴールを目指すパス交換とフットワークが大きな魅力だ。 髪を揺らしてコートを鮮やかに駆ける姿は、山猫のごとし。その爽快さは、女子フィールド競技の中でも出色である。 クラブ全日本選手権でも、激しいコンタクトの男子と軽快で健康美にあふれた女子と、同じラクロス競技ながら男女の異なる魅力が堪能できた。