阪神が元広島の大野氏を臨時コーチとして招聘!
屈辱的な日本シリーズ敗退を喫した阪神が秋季キャンプに元広島の左腕エースでコーチ経験も豊富な大野豊氏(59)を招聘することが31日、THE PAGEの取材で明らかになった。大野氏は4日から高知・安芸で行われている秋季キャンプに合流する予定。 阪神は過去に元巨人でヤクルト、西武で監督を務めた広岡達朗氏に臨時コーチを依頼したことがあるが、他球団のOBに臨時投手コーチを依頼するのは極めて異例だ。CSでは巨人に4タテを食らわせたが、その勢いは日本シリーズにはつながらず、1勝4敗で敗北して甲子園凱旋はならなかった。 レギュラーシーズンでは巨人に7ゲーム差をつけられての2位。日本シリーズでは、打線の強化が課題として残ったが、チームを常勝軍団にして、大目標であるペナントレースを制するためには、やはり投手陣の底上げに手をつけなければならない。そのためにも、この秋季キャンプの位置づけが重要になってくる。危機感を抱いたフロントの来季へ向けての強化策のひとつが、大野氏の招聘。特に先発、中継ぎ左腕のワンランクレベルアップが狙いにある。 能見篤史、岩田稔、岩崎優の3人がローテーションに名を連ねる左腕王国ではあるが、能見、岩田はベテランで、次世代の左腕の育成とレベルアップが課題。大野氏の力を借りてひと皮向けて欲しいと期待しているのが、岩崎優、岩貞祐太というルーキー左腕コンビである。 国士館大からドラフト6位入団の岩崎は、相手打者のタイミングを狂わせる独特の脱力系のフォームで、開幕5戦目の中日戦に先発抜擢されると、5回を無失点に抑え、プロ初先発、初勝利を収めた。思わぬ掘り出し物として、そのままローテーに組み込まれたが、6月には勝てず、7月も防御率5.91と低迷すると8月には2軍調整を余儀なくされた。9月には1軍復帰したが、結局、今季は、5勝4敗、防御率3.50の成績。プロの壁にぶちあたって課題を残した。 また故障で出遅れながらも8月からローテーに入ったドラフト1位の岩貞(横浜商大)は、8月17日の横浜DeNA戦で、5回3分の2を2失点にまとめプロ初勝利を奪ったが、その後は尻つぼみで、1勝4敗の成績で終わっている。岩貞も、まだプロの本当の制球力ながく、いいときと悪いときの波が激しかった。 2010年のドラフト1位の榎田大樹も、伸び悩んだ一人。故障などもあって先発に定着できず、中継ぎに回った。防御率、7.05は自己ワースト。左の中継ぎ、ワンポイントとしてはCS、日本シリーズで高宮和也が存在感を示したが、筒井和也、小嶋達也、山本翔太、藤原正典らの若手にも、力をつけてもらいたいという期待感がある。また左腕だけでなく、ファームで防御率2.02で最優秀防御率タイトルを獲得したものの1軍に定着できなかった二神一人や、同じく最多奪三振タイトル(116個)を取った秋山拓巳も1軍では、わずか2試合の先発で勝ち星はなし。彼らにも、大野氏にアドバイスを仰ぎたい意向だ。