阪神が元広島の大野氏を臨時コーチとして招聘!
大野氏は、広島の現役時代に先発、ストッパーの両方で活躍し通算148勝100敗138セーブ、防御率2.90の成績を残した。最優秀防御率タイトルを1988年と1997年に2度獲得、1988年には沢村賞を受賞している。ストッパーとしては1991年に最優秀救援投手、同年、及び翌年にセーブ王タイトルを連続で獲得。昨年、野球殿堂入りを果たした。 深く腰が沈みこむような独特のフォームから腕のしなりを生かしたピッチングが特徴的で、140キロ後半のストレートとフォーク、パームなどの変化球を器用に操った。球持ちの長さを使ったフォームの微調整で打者のタイミングを狂わせるピッチング術は絶妙で阪神OBでもある伝説のサウスポー、江夏豊に教わったことが、そのベースにあるという。 指導者としても広島でのピッチングコーチ経験に加え、星野ジャパンでは北京五輪代表チームのコーチを務めるなど、そのピッチング理論と丁寧な技術指導には定評があった。先発、ストッパーの両方の経験者で心理面での引き出しが多いのも大野氏の指導者としての魅力の部分。「左腕にしかわからない技術や理論がある。短期間ではあるが、若手にヒントとなるものを教えてもらいたい」という球団サイドの期待がある。 湯舟敏郎・2軍コーチが退団したことで、1、2軍に元左腕のピッチングコーチが一人もいなくなった。今回の大野氏招聘の理由のひとつに、そういう部分の解消もあるが、一番の目的は、秋季キャンプの充実。異例とも言える他球団の名サウスポーの臨時コーチ招聘は、チームにとって大きな刺激となることは間違いない。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)