ビール会社がジャマイカ・ボブスレーチームを救済。発端はSNS
コーチの突然の辞任で使用ソリがなくなり出場が危ぶまれていたジャマイカの女子2人乗りのボブスレーチームに救世主が現れた。USAトゥデイやNBCスポーツなど複数の米国メディアが明らかにしたもので、ジャマイカの首都キングストンに本社を持つビール会社のレッドストライプが新しいソリの提供をジャマイカに持ちかけて、すでにチームは、そのソリを受け取ったという。 ジャマイカは、ドイツ人のサンドラ・キリアシス・ドライバーコーチが突然、チームを離脱、チームは、同コーチの所有するラトビア製のソリを使用していたが、離脱と共に使うことができなくなり出場危機に追い込まれていた。 NBCスポーツによると、そのニュースを見たレッドスプライプ社は、SNSのツイッターを使って支援を呼びかけ、ジャマイカサイドが反応。すぐさま交渉がスタートして、ジャマイカドルで、700万ドル相当、米国ドルで5万6000ドル(約610万円)での支援がまとまり、ジャマイカは、新しいソリを受け取ったという。 ボブスレー協会のクリス・ストークス会長は、同紙に「レッドストライプ社からボブスレーを受け取った。彼らの誠意を受けて準備を進めている。チームは、すでに競技に出場する段階に入っており、精神的にも身体的にも準備を整えてスタートラインに立つというゴールへ向けて集中している」と語っている。 同紙は、「ジャマイカチームは、五輪デビューの数日前(15日)にコーチとソリという1つのみならず2つの重要なものを失いかけた。だが、レッドストライプUSAが、彼女らを救った。ジャマイカボブスレーチームは五輪へ向けたトレーニングや準備が無駄でなかったと知り、安心して眠りにつくことができる」と伝えた。 またUSAトゥデイもSNSでの発信が今回の支援の発端になったことを明らかにしている。 SNSを使った支援で言えば、リオ五輪でサッカーのナイジェリアチームに資金難による移動費の不足や給料の未払いによるボイコット騒動が起きた際、高須クリニックの高須克弥院長が、SNSを使って支援を呼びかけて、実際に資金提供に発展したケースもある。 ジャマイカチームは、当初、東京・大田区などの町工場がプロジェクトを組み製作にあたった「下町ボブスレー」のソリを使用する契約を結んでいたが、突然、この2月に契約を破棄。サンドラ・キリアシスコーチが所有するソリを使用していた。今回、同プロジェクトチームは、再度、「下町ボブスレー」のソリの無償提供を持ちかけていたが、ジャマイカチームは、レッドストライプ社側の支援にのっかったようだ。 女子の2人乗りボブスレーは20日に行われる。