ポンド続落、約1年ぶり安値-英国債は下げ縮小も財政懸念続く
センチメントのバロメーターであるリスク・リバーサルによると、トレーダーはポンドに対し過去2年で最も弱気だ。
ウェルズ・ファーゴやドイツ銀行などの金融機関は、投資家によるロングポジションの解消とイングランド銀行(英中央銀行)の利下げで、ポンドには一段安の余地があるとみている。過去数日の主要なポンドの売り手はヘッジファンドだと、バークレイズは指摘した。
歴史的に英国債の主要な買い手だった年金業界の変化も、市場の問題を複雑にしている。UBSグループが昨年12月に公表した分析によると、年金基金は2022年以降に英国債を約1500億ポンド(約29兆1700億円)買い入れてきたが、投資目標の変化に伴い、いまや需要はグロスベースで年500億ポンドに減少した公算が大きい。
「英国債の潜在的な需要の大きさを巡り、市場が神経質になっているのは正しい」とUBSのストラテジスト、ジャイルズ・ゲール氏は指摘し、「債券安は世界的なテーマとなっているが、英国のセンチメントは特にもろい」と述べた。
原題:UK’s Market Woes Shift to Pound With Currency at One-Year Low、Pound Slumps to Weakest Since 2023 Amid Broad UK Market Selloff(抜粋)
--取材協力:Masaki Kondo.
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Alice Atkins