「俺が佐山の一番弟子だよってみんなの前で言うかもしれない」“平成のテロリスト”村上和成が背負う初代タイガーマスクとアントニオ猪木
■俺が佐山の一番弟子だよってみんなの前で言うかもしれない
――今回ベルト挑戦が決まったときは村上選手コールで一色になったというか、観客席からの期待値が高かったわけですが 村上「だから、これ答えですよ…でも逆に言えば、こいつ(間下)は失うものはないわけです。ある意味ベルトは持ってるけど、ある意味失うものはなく。今回の試合でこいつが勝つか負けるかというよりも、本当に佐山精神をどこまでこいつが心底リングで伝えられるのか?どこまで持っているのかっていうところで、お客さんに間下がトップだなと思わせるチャンスだと思うんですよ。ま、僕は絶対負けませんけどね。絶対潰しますけど。と言っても、こいつとは勝ち負けを超えた勝負はできると思います。僕はその勝負を知っています。それは佐山さんに対する恩返しもあるし、原点であるこのプロレス界に対する僕の経緯です」 ――この試合は佐山精神のぶつかりあいになるわけですね 「その脇には新間さんもいます。新間さんも新日本ではよくお世話になりました。未だに『おお村上!』って声かけてくれますけど、当時ビッグマウスを立ち上げて東京ドームに乗り込んだときに、全部入口を封鎖されたんですよ。チケット持ってんのに駄目だと。したら新間さんが、僕の中ではすごい事だと思うんすけど『こいつら顔パスだろう』って!警備員は『いやパスは一応必要です』て言ったんですね。チケット持ってても入れなかった僕らに『入るとしたらパスは必要です』って。でも『こいつらは顔パスだろ、パス持ってんだよ!』って言ってそのまま僕ら入れちゃうんですよ。それができるのは新間さんだけです。やっぱそういうところでも僕は何か違った感じですけど縁を感じていて。今よく昭和だとか平成だとか令和だとかね、時代がどうのこうのって言うけど、時代は確かに変わるけど、根本精神変わっちゃいけないだろっていつも思ってて。その精神を持ってる人間たちや、意識を共有してくれた人たちがいるのがこのストロングスタイルプロレス。今も佐山さんと新間さんが一緒にいたりとか、そういうところを考えると僕の中ではすごく他とはちょっと違う想いがあんのかなっていつも思ってます」 ――今のトップの佐山サトルの弟子である間下隼人に対して、自分のものを伝承していきたいと? 村上「僕が佐山さんから感じて受けた物というものを、こいつにぶち込もうと思ってます。お前は何を佐山さんから受け継いできたのかっていう、その見えない芯の部分で魂をぶつけ合って。そうすることでどんな音が響くのかなと。それがとてつもなく汚い音になるかもしれないし、とてつもなく綺麗な音になるかもしれないし、それは僕らも感じてみないとわからないですけど。やっぱりそれを聞いたお客さんがどう反応するのか…間違いなくどこでも、今までなかなか聞いたことない、多分ストロングでも聞いたことない音は聞けると思います。その自信はあるし、それぐらいの想いと覚悟でリング上がるんで。それぐらいの覚悟でやっぱりお客さんにはプロレスを見てほしいなと思うし。『あ~、こうかな?』っていうような今まで来るお客さんの思いじゃなくて、ちょっとどんなことが起こるのかなという期待というかハラハラというものは持ってきてもらうといいのかなと。出遅れてしまうと間違いなく萎縮してしまうお客さんが出てくる。それぐらいの気持ちでいるので、だからなかなか見れない佐山遺伝子を向こうの先輩後輩ではない部分で、看板しょってくる相手に僕は魂をしょってこうと思います。そこでどんなことが起こるかは僕もわからないです。開けてみて最後、どっちがリングに立って、それとも両方とも倒れてるのか。どちらかの拳を上げられるのか、そのときにどういう景色が見えてるのか。そしてお客様がどんな音を奏でてくれるのかなと思うと僕もわくわくする。やっぱりやる人間がわくわくして燃えないとお客さんは燃えないですから、間違いなく。僕はもうそこのところだけでいつも戦ってますし、これからもそういうやり方でずっと戦っていきますから」 ――王者にもしなったときに、団体をどうしていきたいみたいな思いはありますか? 村上「いやもう僕は団体をどうしたいとかじゃなくて、僕の思いは戦いに全部集約されてる。それはただ僕の中で預かったものであって、でもやっぱり権威があるのでそれだけの責任というか、逆に言えば今まで続いてきた想いを切らすわけにはいかないし、切らしちゃいけない。僕の中ではもしベルト巻いても、ただ単に僕の中では原点というか。僕象徴ってあんまり好きじゃなくて、本当に今自分の思いを確認をさせて、そしてその上でこの信念をこのまま貫いて、次の戦いにもその信念を貫いてっていうだけの物語の力でしかないと思う。でもベルト1回も人生で巻いたことないんです。人の強奪した事はありますけど(笑)盗ったことはあるけど自分で本当にチャンピオンになったこと無いんですよ」 ――シングル、タッグ含めて? 村上「ないっすよ。巻いたこと無いです。チャレンジはいっぱいしてますけど無いと思う。なのでベルトを巻いたときの感情って僕わかんないですよ。棚橋が持ってるベルトを泥棒して巻いたことあるぐらいですけど(笑)」 ――もちろんベルトには興味は? 村上「ある程度あるんですよ。ベルト巻いてみてえな~って思う時もあるんですけど、結局なんですかね?戦うことの方が…今さっきも言ったようにおまけでしかなくて、勝ったからついてきてたまたまそこにチャレンジをしたことによって、たまたまその大会で試合が組まれたことによって、ベルトが来ましたよってだけなんで。でもだからって何か特別なことをしてやろうとか思うようにしてやろうとかはない。もちろん勝ちに行くイコール獲りに行くので、結局は勝つことだけしかイメージがない。相手をのすっていうイメージしかないので。それ以上も以下もなくて、ベルトに今になって指名をされてチャレンジをしてってところまで来て…それこそ想いをしっかりと身体で返してやらなきゃいけないなと思います。そこだけですかね。逆に言えば巻いたら俺二度と離したくないと思うかもしんないし。『俺がここのスターだぜ』『俺がここの看板選手だぜ』って。『お前たち俺が佐山の一番弟子だよ』ってみんなの前で言うかもしれない(笑)わかんないっすそこは(笑)。そこも感情の許すままに、もしそのベルトを巻いた時には、多分そのときの感情のまま言葉になるでしょう。逆に言えば『あ、これはいりません』って言うかもしれないし。『返すわ』って言うかもしれないし(笑)。そこは僕もわからないです。そこはほんとに僕の中でも楽しみです。見たこと無い僕がどういうふうな行動をして、どういう感情になるのか、僕はそのまま正直な気持ちはその場で出すんで。そこも楽しみかな。逆に言えば、負けたとしたら、負けないけど、負けたとしたら、もっかいやらせてって言うかもしれないし強奪するかもしれないし(笑)そこはわからないですよ。そこの先のところも一つドラマだと思うし。だからプロレスって本当に僕の中で異次元であって、全く僕もわからないんですよ。自分の感情自体は戦ってても喜怒哀楽出てくるので。そういうところも僕の中ではいつも楽しんでいる」 ――毎回未知の戦いに挑むわけですね 「いつも猪木さんはお客さんと戦ってるのかって言われてましたけど、僕の中ではプラス自分っていうのが居て、なのでお客さんと相手と自分という人間と戦わなきゃいけない。僕の中で1人増えてるんですよ、自分という人間がいるんで。人間てやっぱり弱いとこ強いとこあるんで、気持ち的にも。『俺これだけやったら大丈夫だよ。でももうちょっとかな?』っていうその2人が絶対いるんですよ。そこのところとも戦わなければいけない。それぐらいやっぱりしのぎを削るものであるので。最近そうやって試合をするんで、疲れるんすよ、一段と(笑)。やっぱ反省もしますし、その分リングに対する気持ちというのは本当に昔と比べもんにならないぐらい今はあるので。だからいつもその思いを持てることには感謝しますし、誰よりもそのリングに上がらさせてもらってるっていうことを、戦えてるっていうことにはものすごく感謝してる。それに対しては感謝や恩返しをっていうのは、いつも本能のまま戦うっていう自分を裏切らない。そういうことを思ってどこのリングにも上がるわけですけど、ちょっと気持ちはプラスアルファがあるかな、今回は人に対してもリングに対しても」 ――ご自身の中では今の自分がいろんな経験を積んできて全盛期っていう気持ちは? 村上「そうですね。本当に間違いなく全盛期ですね。気持ちと体がやっと一致してる感じなんで。僕の中では本当にある意味来るべき時来てんのかなと思います」
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