緊急事態「粗大ゴミ控えて」 大掃除シーズン、東京23区で異例の呼びかけ
日テレNEWS NNN
いま、東京23区で「粗大ゴミを出すのを控えてほしい」という、異例の呼びかけが行われています。年末の大掃除シーズンに、いったい何が起きているのでしょうか。 ◇ 年末の大掃除真っ最中のみなさん、緊急事態です! 50代主婦(22日午後) 「え!この、この時に!? え、じゃあどうしよう…掃除するのやめようかな」 30代(22日午後) 「けさ、ソファをゴミに出したばっかりで。まったく知らなくてすみません」 いま、東京23区では、「緊急事態です!粗大ゴミがあふれています」と告知するなど、粗大ゴミを出すのを控えるよう、呼びかけられているのです。 何が起きているのか。22日午後、粗大ゴミを受け付けている都内の施設へ向かうと… 記者 「午後になって、車が続々とやって来ました」 布団や棚、トイレの便座に、鳥の剥製など、あらゆる粗大ゴミが持ち込まれていました。 練馬区民 「布団2個と、木の棚1つ。物をもっと減らして、すっきり暮らしたいので、年末の掃除の一環で出た」 練馬区民 「ダイニングテーブルとか(捨てに)」 ――緊急事態になっていますが、どう思いますか? 練馬区民 「それはまったく知らなかった」 緊急事態となっていることを、知らなかった人も多い様子でした。 ◇ 今回、問題があったのは、この施設などで回収した粗大ゴミを、さらに処理する施設でのことです。 練馬区・清掃リサイクル課 横田龍太係長 「(処理)施設の火災の影響によって、(粗大ゴミの)受け入れが困難な状況が近づいていると窮状を聞いている」 火事があったのは、東京・江東区の粗大ゴミ処理施設です。 東京二十三区清掃一部事務組合 中防処理施設管理事務所 古舘陽所長 「粗大ゴミを破砕する施設です。23区に1つしかない施設なんですが、ゴミの中から火が出た」 組合によると、11月にゴミを破砕していたところ、コンベヤー上で突然、発火。機械などが故障したため、粗大ゴミを処理することができなくなったのです。出火の原因とみられているのは、携帯電話などに使用されているリチウムイオン電池です。粗大ゴミに混ざっていたとみられています。 リチウムイオン電池は、捨て方や分別の仕方を間違えると、発火する可能性があります。リチウムイオン電池が原因とみられる火災は、今年、過去最多の166件となっていて、注意が呼びかけられています。 ◇ 粗大ゴミの処理施設は、現在も使用できない状態が続いています。いま集まってくる粗大ゴミは、隣にある不燃ゴミの処理施設に移動させ、少しずつ処理しているといいます。しかし… 東京二十三区清掃一部事務組合 中防処理施設管理事務所 古舘陽所長 「もし仮に不燃ゴミ処理施設が止まってしまうと、5日間で、ゴミを受け入れるところがなくなってしまう。本当に緊急事態。もし待っていただけるようでしたら、少しお待ちいただければ。すでに予約している分はちゃんと処理しますので」 来年2月に仮復旧を予定しているため、それまではできるだけ、粗大ゴミを出すのを控えてほしいということです。 普段は、何気なく捨てているゴミ。 「いつもは当たり前に、持って行けば廃棄してもらえていたというのは、ありがたい」 この年の瀬は少しだけでも、都民の皆さん、ご協力を!