よく見るピンクのシュウメイギク、じつは貴重かも?【趣味の園芸9月号こぼれ話・前編】
編:「矮性種のピンク一重は、色のばらつきが大きい」という話ですね(9月号p.57参照)。 佐:そうです。同じ株でも、開花時期や場所、株の状態によって微妙に変化します。5枚の花弁の大きさもばらつきます。
佐:シュウメイギクの花色は、大まかに見ればピンクか白の2色しかありませんが、よーく見てみると、品種によってもけっこう違います。この写真を見てください。奥と手前で、色が違うでしょう? 奥は'ダイアナ'という昔から親しまれている矮性品種です。手前は私が作出した'ももいろブーケ'の元になった花です。 色だけでなく株姿も違います。奥の'ダイアナ'がふわっと咲くのに対して、手前の花はよくまとまって株姿が整いやすいです。 数株植えられるなら、数品種植えてこういう小さな違いを楽しむのもよいかもしれませんね。
編:いろんな品種を見比べてみたくなりました。後編では、佐藤さんの育種について聞かせてください! 後編では、佐藤さんが手がけるシュウメイギクの品種や最新の育種について紹介します。お楽しみに! 佐藤尚史(さとう・ひさし) 岐阜県郡上市のナーセリーの2代目。2001年より家業を手伝う形でクリスマスローズとシュウメイギクの生産・育種を開始。自宅の庭には、30年以上咲き続けている白花一重のシュウメイギクがある。 ●ウェブだけで読める「趣味の園芸テキストこぼれ話」より 『趣味の園芸』編集部によるテキストこぼれ話。最新号の特集や記事に関連して、誌面で紹介しきれなかった情報をウェブ限定でお届けしています。