奄美4島でも日米共同統合演習 陸自、米オスプレイも離着陸 10月23日から
防衛省は26日、自衛隊と米軍による共同統合演習「キーン・ソード25」を10月23日~11月1日に鹿児島県の奄美群島や国内の自衛隊施設、在日米軍施設、民間の空港・港湾などで行うと発表した。奄美群島では奄美大島と徳之島を中心に喜界島、沖永良部島の計4島で訓練を行う。自衛隊施設や空港、港湾のほか、山間部や海岸、公園などの「生地(せいち)」を広く使用。統合幕僚監部広報によると、徳之島では陸自オスプレイに加え、米空軍CV22オスプレイが離着陸予定。奄美大島や徳之島ではパラシュート降下訓練や、F15戦闘機、陸自の無人偵察機、米軍高機動ロケット砲システム「ハイマース」などを使用した訓練がある。 キーン・ソードは実動演習と指揮所演習をほぼ毎年交互に実施。2022年11月には奄美大島と徳之島で初めて実動訓練が行われた。今年で17回目で、陸海空自衛隊計約3万3000人と米軍1万2000人が参加。島しょ防衛やミサイル防空を想定した訓練を、日本周辺の空海域や全国の自衛隊施設などで行う。 奄美大島、徳之島での訓練には米軍部隊が参加し、陸自奄美駐屯地、瀬戸内分屯地、徳之島内に宿泊する。統幕広報によると喜界島、沖永良部島での訓練は自衛隊側のみで、米軍の滞在はない。一部で空包を使用するが、いずれの訓練でも実弾は使用しない。米空軍CV22オスプレイは10月25日に山間部で行う訓練に連携し、徳之島町または伊仙町内に離着陸する計画がある。 群島内の主な訓練予定は次の通り。▽日米機からのパラシュート降下(徳之島)▽日米エアクッション艇で海岸部への着上陸(徳之島)▽米軍の高機動ロケット砲システム「ハイマース」(奄美大島)、陸自地対艦ミサイル(徳之島)などを使用した対艦戦闘▽陸自無人偵察機「スキャンイーグル」などによる情報収集(奄美大島、徳之島)▽北海道、鹿児島、沖縄と連動した後方補給(奄美大島、徳之島)▽陸自機による沖縄への患者後送(徳之島、沖永良部島)▽F15戦闘機の連続離着陸(奄美大島、徳之島)▽対空ミサイル車両の展開(沖永良部島)―など。 陸自は、11月下旬まで全国の部隊約10万人が参加する「陸上自衛隊演習」も3年ぶりに実施。キーン・ソードと連携する。 鹿児島県は26日、「23年11月にオスプレイの事故が発生し、県民の間にまだ不安の声がある」とした上で、統合幕僚長と九州防衛局長宛てに住民の安心、安全の確保に万全の対策を講じることなどを文書で要請した。
奄美の南海日日新聞