「こんにゃく」を食べるメリット、デメリットは?ダイエット、生活習慣病の予防になる一方で食べ過ぎるとリスクも
おならや腸が詰まる原因にも?こんにゃくを食べすぎる「デメリット」
多くのメリットが得られるこんにゃくですが、過剰に摂取したり体質によっては思わぬデメリットが生じることもあります…。
下痢や便秘などの不快な症状を招く
腸内環境を整え、便秘解消に役立つイメージのある食物繊維ですが、とりすぎは逆効果になることも…。 食物繊維が豊富な食品を極端に多くとってしまうと、胃腸への負担が生じ、不快な症状が現れることがあります。 たとえば、消化不良による腹痛や下痢。こんにゃくに含まれるグルコマンナンという食物繊維は、ほとんど消化されないため、多すぎると消化器に負担をかけてしまうのです。 また、食物繊維は水溶性と不溶性に分けられるのですが、不溶性食物繊維の割合が多くなると便のかさが増して硬くなり、便秘が起こることも。 さらに、便秘によって腸内環境が悪化してしまうと、おならの元となるガスが発生しやすくなるのです。 一度にたくさん食物繊維をとった場合に限らず、よく噛まずに飲み込んでしまうこともこういった不調につながりやすくなるため、食べ方に注意する必要があるでしょう。
腸閉塞(ちょうへいそく)の原因になる
よく噛まず飲み込んでしまうことの弊害として、腸の中を詰まらせてしまうことも考えられます。 実際、腸の中で2.5~4cmの複数のこんにゃく片が詰まったり、丸く加工されたこんにゃくを丸呑みして詰まらせて「腸閉塞(ちょうへいそく)」を起こした例も過去にはあるのだとか…。 腸閉塞の場合にも腹痛が起こりやすく、嘔吐も起こることがあると言われています。 こんにゃくをたくさん食べる場合、早食いをしたり、歯のかみ合わせが悪い、義歯がある人などは十分にこまかくかみ砕けていない可能性が高いため、十分に注意が必要でしょう。
こんにゃくを楽しむ量とタイミングは?
上記のとおり、こんにゃくに含まれる栄養素にはメリットとデメリットの両方があります。 そこでここからは、安心してこんにゃくを楽しめる量とタイミングについて解説していきます。
健康な成人は1日にどれくらい食べても大丈夫?
日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、18~64歳における一日あたりの食物繊維の目標量は、男性で21g以上、女性で18g以上と設定されています。 こんにゃくに含まれている食物繊維は、100gあたり精粉こんにゃくが2.2g、生いもこんにゃくが3.0g。 そのため、仮にこんにゃくのみで男女平均の摂取目標量のおよそ20gを満たす量を求めると、それぞれ900g、650gほどという計算になります。これを1日3食で取り入れるとすると、1食およそ200~300gということに…。 ただし、こんにゃくだけから食物繊維をとることは考えられないことに加え、それだけの量をとるとなるとほかの食品をバランスよく取り入れることがむずかしくなってしまいます。そのため、これは現実的な量とはいえません。 加えて、食物繊維をとる際には注意したい点があります。それは、水溶性と不溶性のバランスを考えることです。 それぞれの異なる作用が発揮されやすくするため、水溶性:不溶性=1:2でとることが理想的とされています。このことから、男性14g、女性12gを目安に不溶性食物繊維をとりいれるようにするといいことがわかります。 また、ほかの食事からも不溶性食物繊維をとることを考慮した場合、こんにゃくを食べる量は前述の数値の半分くらい、とするのが妥当と考えられます。 これらのことをまとめると、1日に食べても安心なこんにゃくの量は「精粉こんにゃく」で300g程度、「生いもこんにゃく」であれば200g程度に収めることをおすすめします。 なお、しらたき(糸こんにゃく)については、食物繊維量が「生いもこんにゃく」とほぼ同じであるため、そちらの数値を参考にしてみてくださいね。