《似たモノ食品》木綿豆腐vs絹ごし豆腐、もずくvsめかぶ、健康コスパがいいのはどっち?
ミンチ肉vsブロック肉
形状が違うだけじゃない 肉を細かくひいたのがミンチなのだから、ブロック肉と栄養価は変わらない……と思ってしまうが。 「同じ部位をひいたミンチならそのとおり。ただ、お店で売っているミンチの多くは、いろいろな部位の肉を使っていて、脂肪の割合が高く、赤身が少なくなりがちです」 例えば豚肉なら、赤身部分にタンパク質やビタミンB1、鉄などが含まれている。ひき肉はそうした栄養分が少なめになってしまうのだ。 鶏卵vsうずらの卵 健康食材の王様を凌駕する!? 「うずらの卵は優秀です。水煮にしたうずらの卵と鶏卵、100gあたりの含有量で比べると、タンパク質は同じくらいですが、鉄や亜鉛は1.5倍、ビタミンB12は3.6倍。葉酸は2倍入っており、健康コスパが高いのです」 小さなうずらの卵をゆでて殻をむくのが大変なのであれば、水煮缶などを使えば時短になる。サラダなどにちょいちょいのせたり、つまみにしたりして、気軽に食べたい! そうめんvsそば のどごしもよく栄養もあるのは? 食欲がないときにもつるっと食べられるそうめんやそば。そうめんの原料はほぼ小麦粉だけど、そばには小麦粉とそば粉が使われている。 「そば粉には血管を強くする作用のあるルチンや腸の働きを整える食物繊維が入っていて、健康コスパが高い」 よって、そばの勝利!そばを選ぶときは、そば粉が多めの八割そばや十割そばを選ぶこと!
似た野菜でも違う!健康コスパ
ネギvs大葉 薬味に欠かせない 大葉はポリフェノール類が、ネギには辛味成分のアリシンが多く含まれていて、どちらも健康によさそうだけど……。 「夏の薬味という意味では、アリシンを含むネギに軍配が上がります。夏は麺をたくさん食べるため、糖質摂取が多くなりがち。この糖質を代謝させるときに、ビタミンB1をすごく消費してしまうんです。 アリシンにはこのビタミンB1を体内に長く維持させる働きがあるので、アリシンを摂取しておくと、夏場の疲労感が軽減されやすくなりますよ」 レタスvsサニーレタス 同じ“レタス”と思ったら驚くほど違う! 「名前は似ていますが、栄養価がまったく違います。レタスは淡色野菜ですが、サニーレタスはβカロテンをたっぷり含む緑黄色野菜。にんじん、ほうれん草と並ぶ存在です」 100g当たりのレタスのβカロテン含有量が240μgなのに対し、サニーレタスは2000μg。文字どおり桁違いに多い。サラダにするなら断然サニーレタスがおすすめだ。 トマトvsミニトマト 大は小を兼ねるわけじゃなかった ミニトマトのほうが味が濃いし、栄養価も高そう……。 「そのとおりです。100g当たりのβカロテン含有量を比べると、トマトが540μg、ミニトマトは960μg。ビタミンCも、トマトが15mgでミニトマトが32mgです。ポリフェノール、リコピンの含有量などもミニトマトが上です。特に夏はこれらの含有量がアップしますから、水分補給も兼ねてたっぷり食べたいですね」 教えてくれたのは……浅野まみこさん●管理栄養士として、これまで1万8千人以上の健康相談を実施。健康に特化した食品選びの新基準“健康コスパ”を提唱している。 取材・文/鷺島鈴香