35㎡夫婦ふたりのマンションリノベ。家具やキッチンを浮かせて広く暮らす
約35㎡の中古マンションを購入し、フルリノベーションした建築家の小滝さん&高藤さん夫妻のお宅を、編集部が訪ねました。壁で仕切るのではなく家具で。さらに脚をつけることで圧迫感が出ないように。また、キッチンは可動式のワゴンと組み合わせ、床から浮かせることで、使いやすさと軽やかさを実現しました。キッチンを中心に、狭くても広々、快適に暮らすヒントを紹介します。
約35㎡の中古マンションを購入しフルリノベーション
約35㎡の中古マンションを購入し、フルリノベーションした小滝さん&高藤さん夫妻。ふたり暮らしで約35㎡と小さな空間だったため、壁で空間を仕切るのではなく、家具で仕切り、かつ、家具には脚をつけて圧迫感が出ないようにしました。 また、家具が天井まで届かないよう高さを抑えることで、上にも視線が抜けるように、とできるだけ狭く感じさせない工夫も。 そのほかにも、床材には白い塩ビタイルを採用。光を反射させるようワックスを塗り、空間全体を明るくすることで、広く感じさせる演出も。 「玄関を入ってすぐにキッチンがあるので、できるだけ生活感があふれないように、インテリアにもなるキッチンにしたいと思って」と小滝さん。そのうえでポイントにしたのが、対比させるということ。 「床や壁、天井は白を選び、家具やキッチン、お風呂の壁面は素材感が感じられるものを選んで、メリハリのある空間を心がけました」
インテリア性と可変性を兼ね備えたキッチンに
存在感が大きく悪目立ちしてしまう冷蔵庫やオーブンレンジは、扉つき収納スペースや食器棚に収めて、使わないときは視界に入らないようにする工夫も。 そして、キッチンはここからここまでと決めてしまうと、部屋全体が狭く感じられたり、空間の使い方が固定されたりしてしまうため、可変性のある空間をつくることも意識したそう。 キッチンと同じ素材を使って造作した、可動式のワゴンがその代表例。写真のように可動式のワゴンは、奥行きを生かして、正面とサイドから出し入れできるよう、オリジナルで製作。 ワゴンを置く場所によって、壁づけキッチン、アイランドキッチンなど、いろいろな使い方ができます。 「普段からふたりでキッチンに立つし、家族や友人が集まったりするときに中心になるのがこの空間。料理をしながら、また食事を楽しみながらのコミュニケーションもここで生まれるので、ひとつの生活の場としてキッチンがあるという感じですね」 コストを抑えるため、天板以外は造作したキッチン。面材にはシルバーのダイノックシートを採用。 キッチンを床から浮かせたことで、足先がキッチン下に入るので調理中も疲れません。掃除もラク! シナ合板でつくった食器棚。オーブンレンジなどの調理家電もここに収納しています。 キッチンの棚は、窓を二重サッシにすることで生まれた枠を活用してDIYしました。