〈八戸市美術館〉〈八戸ポータルミュージアム はっち〉から広がる、アート&カルチャー【青森でアートを巡る旅へ】
青森県で開催中の「AOMORI GOKAN アートフェス 2024」は県内5つの美術館とアートセンターが連携して行うアートフェス。アートを通じて青森のいろいろな顔に出合えます。 【フォトギャラリーを見る】 青森県で開かれている「AOMORI GOKAN アートフェス 2024」では「つらなりのはらっぱ」を共通テーマに各館が独自にキュレーションした企画展を行う。参加しているのは〈青森県立美術館〉〈青森公立大学 国際芸術センター青森〉〈弘前れんが倉庫美術館〉〈八戸市美術館〉〈十和田市現代美術館〉の5館だ。一つの県に現代美術を主に扱う美術館が5つもあるのは珍しい。青森という地や歴史に対してアーティストがそれぞれ呼応したアートが楽しめる。2021年にオープンした〈八戸市美術館〉を訪れてみよう。
●「ジャイアントルーム」に人が集まる〈八戸市美術館〉
設計を西澤徹夫建築事務所・タカバンスタジオ設計共同体(西澤徹夫・浅子佳英・森純平)が担当して2021年に開館した〈八戸市美術館〉。建物としては「AOMORI GOKAN アートフェス 2024」の5館のうちもっとも新しいものになるが、もとは1986年に開館した美術館を建て替えたもの。館としての歴史はもっとも古いものになる。
生まれ変わった〈八戸市美術館〉の目玉は1階の「ジャイアントルーム」と呼ばれるスペース。吹き抜け上部の大きな窓からの光で内部は明るく、開放感がある。可動式の家具やカーテンでさまざまに区切ることができ、展示やワークショップ、イベントなど多彩に使える場だ。その「ジャイアントルーム」に隣接して絵画や彫刻の白い背景を提供する「ホワイトキューブ」、映像作品に対応できる「ブラックキューブ」、パフォーマンスなどの発表となる「スタジオ」などのスペースが配置されている。
この〈八戸市美術館〉での「AOMORI GOKAN アートフェス 2024」メイン企画は『エンジョイ!アートファーム!!』だ。「アートファーム」は〈八戸市美術館〉のコンセプトである「出会いと学びのアートファーム」からとられたもの。美術館でのアートを通じた出会いが人やまちを育むという考え方から、来場者が作家とともに何かを作り上げていくプロジェクトだ。