テーマは権力と欲望 韓国ヒット映画『対外秘』ブローカー役イ・ソンミン「〝魂を売らなければ〟さまざまな意味を感じ取ってほしい」
韓国でヒットした映画『対外秘』(イ・ウォンテ監督)が今月15日、日本でも公開された。1992年の釜山を舞台に、権力と人間の欲望をテーマにした政治映画について韓国・釜山日報は出演したイ・ソンミンにインタビューした。(釜山日報は2023年2月28日に記事を公開しています)。 ■イメージ違う?『財閥家の末息子』では会長役…再び高齢者役に挑戦したイ・ソンミンの素顔【写真】 演技の道に進んで約40年。いまだに正解を見つけられず、「虹を追いかけているようだ」と語る。俳優、イ・ソンミン。つかめそうでつかめない演技を追って、懸命に走り続けているという。ソウル鍾路区三清洞のカフェで会った彼は、「演技というものは、いまだに分かるようで分からない」「長く演じ続けているうちに、俳優としての自尊心を高めることはできた思う」と話した。 1992年の釜山を舞台にした映画『対外秘』で、イ・ソンミンは政界を裏で牛耳る実力者スンテを演じる。スンテは、政党の公認候補を一夜にして覆す力を持つ人物だ。イ・ソンミンは「キャリアのあるブローカー役を表現するために、自分の年齢よりも年上のキャラクターを想定して演じた」とし、「短髪に短い口ひげを生やしたボスのようなイメージに挑戦してみたかった」と語った。 映画『復讐の記憶』のアルツハイマー病を発症したハン・ピルジュ役や、人気ドラマ『財閥家の末息子』のチン・ヤンチョル会長役に続き、再び高齢者役に挑戦したイ・ソンミン。彼は「セリフを言う時に喉をたくさん使うので、声がかなり変わった」「ずっと前かがみで動く演技をしていたので、姿勢を矯正しなければならなかった」と明かした。また、「妻は私が老いた人を演じるのがあまり好きではないんです。夫の未来の顔を見るのがあまり嬉しくないのかも。私は別にいいと思うのですが」と笑った。 映画『対外秘』のテーマは、権力と人間の欲望だ。イ・ソンミンは「1992年は消えゆく背景の時代」とし、「『魂を売らなければならない』という言葉に込められた、さまざまな意味を感じ取ってほしい」と述べた。また、「権力を追い求める人物が次第にすり減っていく過程と結末が、至極現実的だと思った」と語った。約30年前が背景になっていることについては、「当時、私は25歳で、血気盛んな若者でした。生活に追われていたあの頃が、いまや過去の時代として扱われるなんて、不思議な気分です」と話した。 ▼「太いロープ」と「ナイロンの紐」…共演俳優に「嫉妬」も インタビュー全文は(オススメ記事)から▼