工期延長に伴う交付金増額なし…馬毛島自衛隊基地整備巡り市議会と防衛省が着工後初の意見交換 議員は家賃高騰や進む人手不足など生活への影響訴え
鹿児島県西之表市馬毛島で進む米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を伴う自衛隊基地整備を巡り、同市議会(14人)と防衛省は12日、初の意見交換会を開いた。議員側は3年の工期延長による市民生活への影響などを問い、防衛省は従来の対策を改めて説明した。 【写真】〈資料写真〉仮設の建造物が密集し、街のように見える島の中央部=本社チャーター機から撮影
意見交換会は同市役所であり、議員4人の質問に、同省の原田道明西日本協力課長らが答えた。議員側は工事関係者の増加で人手不足や家賃高騰などの影響が生じていると指摘。原田課長は仮設宿舎建設や島外での作業員募集などの取り組みを挙げ、「自治体と連携し、可能なものから速やかに対応する」と述べた。 地元医療への負担に絡み、馬毛島から医療機関への搬送は種子島が25人、鹿児島市が1人と報告。工期延長に伴い、再編交付金が増額される可能性については「総額に変更はない」と答えた。 説明会を含め市議会と防衛省が直接議論する場は2022年7月20日以来。議員からは意見交換会の頻度を増やすよう求める声が上がった。原田課長は「重く受け止める」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島
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