「夢を見るエネルギーがまだたっぷり」89歳の“洋菓子界のレジェンド”が実現させたい“ベルサイユ宮殿のような”ミュゼ
89歳になっても「まだ夢の途中」と語る今田美奈子さん。あふれるパワーと、若々しさを保つ秘訣はどこにあるのでしょうか。 【画像】 89歳の“洋菓子界のレジェンド”今田美奈子さん 「人生100年時代」を謳歌する今田さんに、この先の展望やビジョンを聞きました。
来年90歳を迎える今田美奈子さん
――今田さんは来年90歳とうかがいました。ご自分で年齢の壁を感じることはないのでしょうか。 見た目は感じますよ(笑)。年々疲れやすくもなっています。でも、心は自分で若々しくコントロールし続けることができると思っています。 それには、年齢に関係なく夢を持つことが大事です。たとえば私は、挫折したときは「これから次の出発がある」と思うようにしています。 あとは、自分にはパワーがあると信じることですね。それしかできませんから。 ――信じていても、現実にできないことが多いと落ち込みます。 私ももう山登りはできませんよ(笑)。昔頻繁に行った旅行も、今は無理はできませんよ(笑)。でも、だからといって「もう誰とも交流できない」と落ち込むことはありません。 いまはオンラインで海外の方の講演やイベントにも参加できます。世界中の人々と楽しく交流できます。 みなさんには、ぜひご自分に自信と勇気を持ち、人生を謳歌していただきたいなと思います。 ――いわゆる「女性活躍推進」という意味でしょうか。
絶対に誰かが力になってくれる
もっと個人的な意味です。いまは昔と違い、結婚して夫に頼ればいいという時代ではありません。自分が自分の人生を選び、やり遂げたいという希望を持ち続けなければ、ほかの誰も変わってはくれません。 もちろん大変なこともあると思いますが、自分の力だけではできないと思うことでも、希望を持って続けていれば、絶対に誰か共感してくれる人が声をかけてくれたり、力になってくれたりします。 私もそうでした。本物を伝えたい、お菓子を文化にしたいという一心で本を出版したら、そこから百貨店で小さな教室を開かせていただくようになって。そのご縁で新宿高島屋にサロンを開設し、コンビニスイーツの監修もさせていただきました。そうやってご縁をつないでいけば、人生は変わります。 変わることを恐れず、勇気を持って未来を広げる方が増えていけばいいなと思います。 ――今田さんは半世紀以上にわたり日本洋菓子界を牽引し、これまでにも数多くの門下生を育成されてきました。 50年前に私が日本にヨーロッパの伝統菓子を伝え、世の中に「洋菓子」旋風をもたらしたように、これからも新しい流れを生み出せたらと思っています。 現在は夢を見る人が少ないと聞きますが、それは夢を見るパワーがないからです。未来に希望を持ち、自信を持って自分の人生を進んでいけるようなパワーを若い人々や子どもたちが持てるような生き方を示し、力を注いでいきたいと思っています。 ――まだまだ引退はできませんね。 今年で89歳になりましたが、まだ成し遂げたいことがたくさんあります。こんなことを言うのはおこがましいようですが、私の心の中にはまだ夢を見続けるエネルギーがたっぷり残っています。ですから、まだ私の中では「夢の途中」なんです。 来年は90代の大台に乗ります。これからも美と健康に留意し、皆様に貢献できる活動をしていきたいです。