HJCヘルメットサービスの話を通して見えてきた、MotoGPライダーたちの“意外”な素顔
それぞれで異なる、ヘルメットへのこだわり?
韓国のヘルメットメーカー『HJC』は、MotoGPライダーにヘルメットをサポートしています。MotoGPの現場、パドックでHJCヘルメットのサービスを行なう、長谷川朝弘さんに話を伺いました。ヘルメットに関するエピソードを通して、MotoGPライダーたちのキャラクターが見えてきたのです。 【画像】これがMotoGPの現場で使われるヘルメットです!画像で見る(7枚)
HJCのサポートを受けるMotoGPライダーは、2021年MotoGPチャンピオンのファビオ・クアルタラロ選手(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)やブラッド・ビンダー選手(レッドブルKTMファクトリーレーシング)、Moto2ライダーのジョー・ロバーツ選手(オンリーファンズ・アメリカン・レーシングチーム)、2024年の鈴鹿8時間耐久ロードレースで「ヨシムラSERT・Motul」から参戦し、3位表彰台獲得に貢献したアルベルト・アレナス選手(QJMOTORグレシーニMoto2)など多数です。 彼らが使用するのは「RPHA1」(※モデル名は国によって異なるそうです)というモデルで、市販品と同じです。インタビュー当日、ちょうど市販の「RPHA1」がHJCのトレーラーにあったので見せていただいたのですが、万が一、そのヘルメットを使用しなければならないケースが発生したとしても、車検を通せば使用できると、長谷川さんが話してくれました。 「IRTA(the International Road-Racing Teams Association)の車検に行って、(FIMの)ステッカーをもらわないといけないんですけどね。QRコードをスキャンして、ナンバーを登録するとシールがもらえるので、それを貼ればレースで使用できるんです。(MotoGPライダーが使用しているヘルメットは)市販品と全く一緒なんですよ」 「サイズ調整も、頭の上を覆うライナーというスポンジとチークパッドなどで調整します。それも市販で売っているものです。日本の販売店でも頭を測って内装を入れて頭に合わせる、というフィッティングサービスを提供していますけど、ここでやっているのも同じです」 「ヘルメットは、基本的な構造について何も変更ができないんです。できるのは内装と、シールドです。だから僕は、“視界のスペシャリスト”になりたいんですよ」 現在のMotoGPでは、マシンだけではなく、もはやヘルメットでも空力が重要な要素です。 「最近のヘルメットの流れで、スポイラーがあるでしょう。RPHA1のあと、(スポイラーを)やらなければ、ということでミカ・カリオ(KTMテストライダー)と一緒に開発してきたんですけど、これも規格を取り直さないといけないんです」 「スポイラーもつける人、つけない人がいて、ライダー次第です。アレナスなどはサーキットによって使い分けていますね。あとはレーシングスーツのハンプ(こぶの部分)との相性もありますね。スポイラーが当たることもあるので。空力はツナギメーカーさんの協力も必要なんです。余談ですけど、スポイラーをつけるのとつけないのでは、ムジェロ・サーキットで、ミカ・カリオがテストして、直線で3km/hの違いが出ました。直線だけですけどね」