相場急変動をトレーダー警戒-米雇用統計、FOMC前の最終ヒントに
(ブルームバーグ): 米国債の一段の下落をヘッジしてきた投資家がボラティリティーの高まりに身構えている。ハリケーンとストライキの影響が表れる見込みの10月の米雇用統計が1日に発表されるが、これが来週行われる金融政策決定の最後の手がかりとなる。
米国債はアジア時間1日午前の取引でほぼ変わらず。10月は月間としてこの2年間で最悪のパフォーマンスとなった。
米大統領選と連邦公開市場委員会(FOMC)会合を数日後に控え、米債券市場の予想変動率の指標として注視されるICE・BofA・MOVE指数は1年ぶりの高水準に達した。トレーダーは10年債利回りが今後3週間に最大4.5%に上昇する可能性を視野に入れている。現在の水準は約4.3%。
こうしたトレーダーのポジションを踏まえ、ブランディワイン・グローバル・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ジャック・マッキンタイア氏は、米雇用統計が力強い内容となれば「市場は無視しにくくなる」と指摘。弱い数字なら、ストや悪天候の影響と言い訳できるが、堅調な数字なら当局者に利下げを求める圧力は後退するだろうと語った。
さらに「金融当局は市場を過度に驚かせたくはないだろう」と予想。同氏はブルームバーグが調査した大半のエコノミストと同様に、来週の会合で0.25ポイントの利下げを見込むが、当局はタカ派的なメッセージを発し、「当面の利下げを完了したとのシグナル」と送ると予想する。
市場では来週0.25ポイントの利下げが実施される確率が約90%織り込まれている。9月の利下げ幅は0.5ポイントだった。金利スワップ市場では、今後1年間で計約117ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の緩和が予想されている。予想緩和幅は10月初め時点から約67bp縮小した。
原題:Bond Traders Scour US Jobs Data for Clues on Fed’s Rate-Cut Plan(抜粋)
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Michael Mackenzie, Edward Bolingbroke