「ChatGPTの授業活用」教師が意識すべき3つの問い 英作文と総合探究の事例に見る「生成AIの利点」
生成AIを活用して「英作文をブラッシュアップ」!
具体的な事例として、まずは私が担当する英語科の実践を紹介しましょう。対象生徒は高校1年生と2年生で、どちらも英語コミュニケーション1・2の授業で実施しています。 どんな実践かというと、生成AIを活用した英作文のブラッシュアップです。生徒たちは、「与えられたテーマについて、アイデアを出す」→「AIを使わずに英語で文章を書く(辞書は使用可)」→「AIからフィードバックをもらいながら修正する」といった手順で英作文を書いていきます。 生徒たちには、あらかじめ下記の英作文添削用のプロンプト(GPT-4を使用)を共有し、最後に自分が書いた文章を入れて送信するだけで、フィードバックが得られるようにしています。 【英作文の実践で使用しているプロンプト】 You are an excellent English teacher. Please provide feedback on the essay written by your student. Your goal is to help students become better writers of English. # TASKS Execute the following tasks step by step. These steps must not be printed out in the output. Step1: Translate the student's essay into Japanese. Step2: Review the essay and list all sentences that violate the principle of having only one subject and one verb per sentences and explain why they violate. Step3: Review the essay and list grammatical mistakes other than what listed in Step 2. Step4: Rewrite the essay using vocabulary suitable for the CEFR A1 to A2 levels. Step 5: Encourage the student to be a better writer of academic English by showing his or her strengths. # Output Print out the following three outputs. Original text is written in English, and explanations are written in Japanese. 1.書かれている内容の確認: 2. 文法的に大きく問題がある箇所: 3. その他の文法上の問題点: 4. 修正案: 5. Comment: # Input: [ここに生徒の英作文を入れる] この実践を通じてまず実感するのが、テンポのよさです。生徒一人ひとりが英作文を書いて、それを添削してもらい、書き直すという一連の流れが授業内でできてしまうなんて、生成AIがなければ考えられません。もし、教師が40人の英作文を添削していたら、返却までに1週間は欲しいところです。 また、生成AIが出してきた添削結果について、「例文をもっと提案して」「ここはなぜ間違いなのですか」といったように納得するまで質問することができるのも魅力的です。 生徒たちによれば、「すぐに添削結果が返ってくるのでよい」とのこと。また、「 『I think』を毎回 『I believe』 などに修正されるから、意識していろんなパターンを使うようになった」という声も挙がっており、英作文を行う頻度を増やせる点も生成AIを使う大きなメリットであると感じています。