「お試し期間」で話題の中央線快速グリーン車。ドアが両開きになってどう変わった?【乗ってみた】
◆「お試し期間」で話題の中央線快速グリーン車
JR中央線快速電車の2階建てグリーン車。2025年春に予定されているサービス開始に先立ち、10両編成の電車にグリーン車を2両連結し、12両編成となった電車を10月13日から順次導入している。 【画像】「観光列車」満足度ランキング! 一生に一度は乗りたいおすすめTOP10 中央線の快速用車両は58編成もあるので、全ての電車が12両編成に統一されるまでは半年ほどかかる見込みだ。それまでグリーン車は「お試し期間」として無料で乗車できるとあって、多くの人が殺到し、混乱気味である。どのような状況なのかリポートしよう。
◆ドアを両開きとした中央線のグリーン車
2階建てグリーン車が2両組み込まれた中央線快速電車(特快、通勤快速を含む)は12両編成。いわゆる「オレンジ帯」の電車(E233系)で、東京駅寄りの4号車と5号車が2階建てグリーン車だ。基本は、すでに走っている東海道線、横須賀線、総武快速線、高崎線などの2階建てグリーン車と同じだ。 違いはドア。従来の2階建てグリーン車は、特急列車並みの狭い片開きのドアだったが、中央線用のドアは両開きで広い。これは東京駅での折り返し時間が短く(最短2分)、乗客の乗り降りをスムーズに行うためだという。ドアを広くしたため、車端部の平屋の座席数が減っている。その分、2階席のシートピッチ(幅)をやや狭めるなど工夫して、定員は従来のグリーン車と同じ2両で180人を確保している。
◆東京駅からグリーン車に乗車してみた
グリーン車連結開始の5日目(10月17日)のお昼前、東京駅の中央線ホームに出た。沿線の人身事故の影響で列車ダイヤが乱れてはいたが、JR東日本アプリをチェックすると15分ほどでグリーン車を連結した編成が到着するという。 4号車(グリーン車)乗車口には数人が待機していたので、その列に加わった。やがて、電車が1番線に到着。降りる客が途切れたところで車内へ。ところが、座席周辺でウロウロしていた乗客が慌てて降りようと逆らうようにやってきたので少々混乱した。 ドアは広くなったものの、2階席からドアへ続く階段は狭いままなので、すれ違いには無理が生じる。降車客をスムーズに誘導しないことには、ドアを広げるだけでは解決しない。 「お試し期間」中は、自慢の自動座席回転装置は働かない。自分で座席下にあるペダルを踏んで進行方向に向きを変えて窓側に着席した。どの席も窓側は満席のようだが、通路側は空席が目立つ。筆者の隣も東京駅発車時は無人のままだ。 座席の肘(ひじ)掛け先端にコンセントがあったので、スマホの充電を行う。横須賀線・総武快速線の新型車両(E235系)グリーン車以外は電源コンセントがないので、これはありがたい。 前の座席背面にあるテーブルを降ろして持参した軽食を並べてランチタイムとした。同じ座席背面の下方にはドリンクホルダーもあるので、ペットボトルも置ける。列車の揺れで転倒しないのは安心だ。