宮田莉朋、F2初陣でオーバーテイクショー見せる。5番手発進のフィーチャーレースは「まず普通のスタートを切れるように」
今季から戦いの場をヨーロッパに移した宮田莉朋。そのFIA F2での初陣は、6番グリッドからスタートして9位、ノーポイントに終わった。ただそのレース内容は、続くフィーチャーレース、そして今後の活躍を予感させるようなものでもあった。 F1メカ解説|2024年のF1ついに開幕! ”隠すの禁止”で各車の秘密が見えてきた?:F1バーレーンGPピットレーン直送便 昨年は国内最高峰のスーパーフォーミュラとスーパーGT・GT500でダブルタイトルを獲得した宮田は今季、WEC(世界耐久選手権)のリザーブドライバーやELMS(ヨーロッパ・ル・マン・シリーズ)の他、F1直下のFIA F2で戦うチャンスを手にした。所属チームはロダン・モータースポーツ、昨年までのカーリンであり、チームメイトは元レッドブル育成で現ザウバー育成のゼイン・マローニだ。 そして開幕ラウンドがバーレーンでスタートすると、宮田は予選でトップと0.088秒差のタイムを記録し、5番手を獲得。スプリントレース、フィーチャーレース共に好位置からのスタートとなった。 しかし迎えたスプリントレースでは、スタートの蹴り出しが悪く後方集団に飲み込まれてしまった。一時は18番手まで落ち、3周目にバーチャルセーフティカーが解除されたタイミングで15番手だった宮田は、ここからオーバーテイクショーを開演。バーレーンはタイヤのデグラデーション(性能劣化)も比較的大きく、ペースを急激に落としてしまうドライバーも見られる中で、宮田はデビュー戦ながら安定したペースで追い上げ、レース終盤はポイント争いに加わった。 スプリントレースでは8位のドライバーまでポイントが与えられるが、宮田は9番手までジャンプアップしていた。そして5台、6台による激しい順位争いに加わったが、そこからポジションを上げていくには至らず、9位フィニッシュ。惜しくもポイント獲得とはならなかった。 宮田はTOYOTA GAZOO RacingのSNS動画の中でレースを振り返り、スタートの練習ができなかったことがスタートでの出遅れに繋がってしまったとして、フィーチャーレースに向けてはチームと共に問題解決を目指していると語った。また、タイヤをマネジメントしながらオーバーテイクができたことも大いに収穫になったようだ。 「結果は9位で、あと1台抜けばポイントを獲得できましたが、スタート練習が全くできない中でレースをスタートしたので、正直かなりひどいスタートになってしまいました」と宮田は振り返る。 「その後のレースペースは悪くなく、自分もタイヤマネジメントをしてオーバーテイクできたので、自分にとっても良い経験になりましたし、明日のフィーチャーレースに向けても良い収穫になったと思っています」 「明日は5番手からのスタートになりますが、まずは普通のスタートを切れるよう、今チームが問題を解決するように努力をしています。僕もできることはしっかり準備をして、明日こそ良いスタートを切って、良いレースをしたいと思っています」 レースウィーク最終日に行なわれるフィーチャーレースは、スプリントレースよりも配点が大きく(スプリントレース優勝で10点、フィーチャーレース優勝で25点)、ここでの結果がチャンピオンシップに大きく関わってくることは言うまでもない。1年目でのチャンピオン獲得を目標に掲げる宮田にとっても、良い滑り出しを見せたいところだ。
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