“6試合しかない”日本の女子シニア選手が世界最高峰で4人もトップ10入りできたのはなぜか?
「50歳になったら出場しようと“全米貯金”しました」
ローラ・デービースが優勝した18年の第1回大会で、先輩の斉藤裕子が4位になった時、1973年生まれの山本は45歳。日本のレジェンズツアー入りしたばかりだった。「そんなん(全米シニア女子オープン)あるんや」と、あまりピンと来ていなかった。それでも、予選から挑む日本選手がじわじわと増えていくのを感じていた。 1歳(2学年)上の大竹が初めて挑んだ23年大会でキャディーをしたことで、一気に大会は身近になった。自分も50歳になったら出場しようと「“全米貯金”始めました」。世界経済の中で円安が進むタイミングでもあり、予選から挑むとなると経費も高額になるからだ。しかし、今度は心配いらない。2位になって来年の出場権はすでに獲得。10万8000ドルの賞金で遠征費も出るだろう。 24年は日本のレジェンズツアーを主戦場にしている山本だが、51歳になった今もQT(クォリファイング・トーナメント)からレギュラーツアーでのプレーを目指す気満々だ。 「ケガは少ないし、腰が少し痛いくらい。ストレッチも『してる』って言ったら怒られる程度(笑)。身体的には恵まれてますね」と元気いっぱい。11月9日からのファーストステージ(A会場:福島県・五浦庭園CC)から挑む。 その前にあるObbliカップ(10月31~11月1日、高知県・土佐CC)、ボンドカップ(11月6~7日、三重県・近鉄賢島CC)のレジェンズツアーでは優勝を狙って弾みをつける。 全米女子シニアオープン2位の自信と来年の大会でのリベンジへの思いが、挑戦を続ける気持ちを支えている。「今年ができすぎて来年怖いですね」という言葉が、不敵に聞こえる。
小川淳子(ゴルフジャーナリスト)