山崎金属産業、西田金属を子会社化。営業・製造面でシナジー創出
山崎金属産業(社長・山崎洋一郎氏)は、伸銅品流通の西田金属(社長・西田定弘氏)の全株式を取得し、25日付で完全子会社化した。銅板を中心に豊富な在庫と販売ネットワークを持つ西田金属をグループ化し、銅板などの素材販売から試作・量産まで一貫対応できる体制を整備。西田金属も山崎金属産業グループ入りすることで、一段の成長戦略を描く。 西田金属は1962年に創業した伸銅品流通。東京・墨田区に構える二つの倉庫で伸銅品などを豊富に在庫し、さらに自社の切断加工能力を用いた即納体制を強みとするなど、東京地区有数の銅板問屋として知られている。販売先としては半導体や重電、工作設備、自動車業界のほか電子デバイスやインフラ、宇宙分野でも実績がある。 今回、山崎金属産業が仲介会社からの紹介を受け、西田金属の子会社化を決めた。今月13日に株式譲渡契約を締結した上で、25日に子会社化が完了した。西田社長は「さらなる成長を図るためには、山崎金属産業グループに入ることが一番だと考えた。事業承継がテーマではなく、あくまで成長戦略を描くため」と述べた。 新役員体制は、西田定弘社長が代表取締役社長に留任する一方、山崎金属産業の湯澤紳太郎常務取締役が代表取締役会長(非常勤)に就任。また非常勤取締役に山崎洋一郎社長と富田充信小松支店長、非常勤監査役に藤木正道監査役がそれぞれ就いた。 山崎金属産業は西田金属のグループ化後も、従来通りの販売スタイルを継続する方針。その上で強みの加工技術や翌日出荷を基本とした在庫・即納機能を強化しつつ、グループの試作・量産機能などでシナジー発揮を目指す。さらに将来的には新規顧客の獲得・販路開拓を通じて取引の拡大にもつなげたい考え。