【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】角田選手は、レッドブル昇格のチャンスをつかんでほしい!
■天候を味方につけたフェラーリ アメリカGPで見事なワンツー・フィニッシュを決めたフェラーリ。マシンに関しては特に大きなアップデートがなかったにもかかわらず、ルクレール選手とサインツ選手がともに決勝では安定した速さを披露していました。アメリカでは天候がフェラーリには味方しましたね。 決勝日の路面温度は45度を超え、タイヤに非常に厳しい状況になりました。実際、多くのチーム、ドライバーがタイヤの摩耗に苦しんでいましたが、タイヤに優しいマシン特性を持つフェラーリにとっては高い路面温度が有利に働いたと思います。 2台そろって安定感があるのは、なんだかフェラーリらしくない感じもしますけど(笑)、ワンツー・フィニッシュを決めたことで、コンストラクターズ選手権で2位のレッドブルに8点差まで迫りました。48点差があるマクラーレンに追いつくのはちょっと難しいかもしれませんが、最後まで頑張ってほしい。 新しい空力パッケージを持ち込んできたレッドブルは、決勝ではタイヤの摩耗に苦しんでいましたが、土曜日のスプリントレースでは久々の優勝を飾っています。中盤戦以降はマシンのアップデートがうまくいかずに苦しんでいましたが、ようやく速さを取り戻してきているようにも見えます。ただ7位に終わったセルジオ・ペレス選手はマシンバランスに不満を抱えており、まだ扱いづらいところは残っているのかもしれません。 マクラーレンはアメリカGPに関しては、マシンの最適化がうまくできておらず、本来の速さを発揮できていなかったように感じましたが、これほど勢力図がコロコロ変わるシーズンは珍しいですね。 開幕からライバルを圧倒していたレッドブルのパフォーマンスが急降下したこともありますが、フェラーリも夏休み前にはレッドブル、マクラーレン、メルセデスと形成するトップグループから脱落しそうな雰囲気でした。でも夏休みが明けると復調し、好調をキープし続けています。 今シーズンはサーキットごとに強いチームが入れ替わり、本当に面白い展開になっています。残りのレースでも、さらに混沌とした戦いが見られるかもしれません。