【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】角田選手は、レッドブル昇格のチャンスをつかんでほしい!
連載【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】RACE17 F1は短いインターバルを終え、いよいよシーズン最終章に入った。第19戦のアメリカGPを皮切りにメキシコ、ブラジルと3連戦が行なわれるが、その緒戦はフェラーリのシャルル・ルクレールが制した。2位にはカルロス・サインツが入り、フェラーリが今季2度目のワンツー・フィニッシュを達成。 【写真】アメリカGPで優勝したルクレール フェラーリはコンストラクターズ選手権で2位のレッドブルに8点差まで肉薄した。首位のマクラーレンにも48点差に迫っており、フェラーリがタイトル戦線に名乗りを上げてきた。今週末のメキシコGP(決勝10月27日)はどんな展開が待っているのか!? * * * ■チャンピオンを争いふたりのバトルに感嘆! アメリカGPはすごいレースになりました。チャンピオンを争うマックス・フェルスタッペン選手とランド・ノリス選手がレース後半、3位のポジションを巡って超接近戦のバトルを繰り広げました。 残り5周のところでノリス選手がフェルスタッペン選手をターン12でオーバーテイクしたのですが、その際にコース外を走行してアドバンテージを得たとして5秒加算のタイムペナルティが科されました。そのためノリス選手は4位に降格し、フェルスタッペン選手が3位表彰台を獲得します。 このスチュワード(審査委員会)の裁定に関してはちょっと思うところがあるというか、コースレイアウトに問題があると感じました。ノリス選手が追い抜きを仕掛けたコーナーの両脇はアスファルト舗装のランオフエリアが設けられています。そうすると、攻める側も守る側もタイムロスがほとんどないのでどうしてもコース外のスペースを走行してしまいます。 もし、それが砂利や芝生などを敷いたグラベルだったら、コース外を走行すれば大きくタイムロスしますし、場合によってはマシンにダメージを受けリタイアせざるを得ないかもしれない。そういうリスクがあれば、もっとスリリングなレースになるし、コース外を走行することもないと思うのですが......。 いずれにせよスチュワードの判断でレースが決まってしまうのはファンとしてはスッキリしません。それでもフェルスタッペン選手とノリス選手のバトルは本当に素晴らしかったし、手に汗を握りました。特にフェルスタッペン選手の巧みなディフェンスは見事でしたね。さすがチャンピオンだと感じました。 ノリス選手は結局、アメリカGPではスプリントレース、決勝ともにフェルスタッペン選手の後塵を拝し、ドライバーズ選手権でのポイント差が52から57と広がってしまいました。残りのレースは5戦、逆転でチャンピオンを獲得するのは難しい状況になりましたが、第21戦のブラジルと第23戦のカタールではスプリントレースがあります。 まだまだチャンスはありますので、ノリス選手には残りの全レースで優勝を狙いに行って、最終戦のアブダビまで楽しませてほしいです。