源氏物語の世界に触れる写真展 京都のカメラマン、中田昭さんが撮影
京都市在住の写真家、中田昭さん（73）が源氏物語をテーマにした写真展を松栄堂薫習館（京都市中京区）で開催している。京都御所や神社の祭礼など源氏物語ゆかりの場所や光景を捉えた39点を展示。写真を通し、物語の世界に触れることができる。 中田さんが30年以上かけて撮りためた作品から厳選した。京都御所の紫宸殿などに加え、京都仙洞御所の紅葉や鴨川の夕景など源氏物語を想起させる情景が並ぶ。 NHK大河ドラマ「光る君へ」にも登場し、ヒロインのまひろが披露した「五節（ごせち）の舞」は昨年、下鴨神社の催しで撮影した。藤原道長の邸宅とされる土御門第跡付近で撮影した満月は、有名な望月の歌を連想させる。 師事していた民俗写真家、芳賀日出男氏から「せっかく京都にいるのだから源氏物語を撮ったら」とアドバイスを受け、撮影を始めた。祭りや四季の風景を撮影するうちに、今も続く神事やそれに伴う情景が「源氏物語の世界と連綿とつながることに気付いた」（中田さん）。 30日まで。午前10時～午後5時、入場無料。29日にはトークセッション（事前申し込み制）が開かれる。（田中幸美）
